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12 パン屋の息子 ページ13

Aside


「うわぁ〜!!」


小麦のこんがりとした匂い。
店内に入れば温かくお腹が空いてしまう。


「ここが俺の家で経営しているパン屋だ」

「凄い、凄い!美味しそう〜!!」


とある日の放課後、私は炭治郎の家までついてきた。
私はひそかに楽しみにしていたのでテンションが思わず上がってしまう。


「まあ俺はごはん派なんだけどな」


炭治郎は訳が分からないことをいいながら店内の奥に行く。
ごはん派なのにパンをせっせと作っているのか…。
不思議だなぁ、なんて思っていたら炭治郎は手招きする。


「こっちおいで」


炭治郎は腰にエプロンを巻きつける。
そして腕をまくってパンを運んでくる。

がらりと印象が変わる。


「これ新作のパンにしようと思うんだけど意見聞かせてほしいんだ」

「いただきます!!」


きつね色より濃くてつやが広がる素朴なパンだった。
そんな温かいパンを口に含むとふんわりと優しい甘さが口に広がった。

私がいつも昼に適当に選んでる市販の菓子パンとは全く違った。
美味しいし温かいしなんだかほっとした気持ちになる。


「炭治郎、美味しい!これ、美味しい!」


この美味しさを炭治郎にちゃんと伝えたくて、炭治郎の方に急いで向き直る。
子どものようにはしゃいでしまう私に炭治郎は優しい眼差しを向けてくれる。


「良かった、Aに喜んでもらえて」


炭治郎は嬉しそうに微笑んでくれる。


「今度からパンを食べるときはうちのパンを食べればいいよ」

「うん、そうする!こっちの方がもの凄く美味しい…!」


炭治郎はこの暖かい雰囲気のする素敵なお店でお手伝いしてるんだと思うと
やっぱり家族思いだし優しいし、カッコいいななんて思ってしまう。

顔がちょっぴり赤くなるが店内の熱気のせいにした。


「よし、じゃあ今度はこっちにおいで」


炭治郎は片手で私の手を引き、もう片方の手で簡単にエプロンを外す。
そう今日ここへ来たのはもう一つ理由があった。

家の中に上げてもらうと店内の雰囲気とは少し違う暖かさの雰囲気があった。

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シノブ(プロフ) - ヤバイヤバイめっちゃドキドキしました!!ドキドキをくれてありがとうございます<(_ _)> (2022年4月9日 9時) (レス) @page42 id: 1ffddb9be4 (このIDを非表示/違反報告)
ふわむにゃ(プロフ) - ぽぽぽぽぽさん» コメントありがとうございます!甘い炭治郎が書けて良かったです! (2020年5月22日 9時) (レス) id: a6eb1143e2 (このIDを非表示/違反報告)
ぽぽぽぽぽ - ごはぁ!(炭治郎にやられた音)面白いです! (2020年5月7日 12時) (レス) id: 7a7fe6581f (このIDを非表示/違反報告)
ふわむにゃ(プロフ) - ロゼオさん» わ〜!ありがとうございます!!また書きます!更新頑張りたいと思います、感謝です…!! (2020年4月1日 18時) (レス) id: a6eb1143e2 (このIDを非表示/違反報告)
ロゼオ(プロフ) - とても面白かったです!こんな感じのちょい甘が好きなのでまた書いてくれると嬉しいです!煉獄さんの小説の更新頑張って下さい! (2020年4月1日 15時) (レス) id: dea7ecbd36 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ふわむにゃ | 作成日時:2020年1月20日 0時

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