24 温かい光 ページ25
ジュンside
おひいさんの目は真剣そのものだった。
まっすぐにAさんを見ている。
「…で、でもそんなことできません」
返ってきた言葉は予想通り。
決められているルールに従うしかないとAさんは首を横に振る。
自分自身に責任をものすごく感じているに違いない。
しかし、おひいさんは合わせている目を逸らさずにAさんを見ていた。
「もう君も無理しなくていいよ…?」
おひいさんはゆっくりと傍にいたAさんの手を取った。
温かい眼差し、太陽のようだ。
「Aちゃんだって、ここ数日間無理してたんじゃないの…?」
優しく問いかけるおひいさんの目は嘘が無い。
全て本心だ。
Aさんは溢れそうな涙を堪えながらも嗚咽が漏れていた。
オレはAさんの背中をさする。
オレにできるのはこれくらいだった。
「ぼくはここで三人で笑っていたいね!ねっ、ジュンくん!」
おひいさんはオレの方を見て微笑んだ。
いつものおひいさんだ。
少し、心が落ち着いた。
Aさんは流れてくる涙をぬぐう。
「ありがとう、日和…。ありがとう、ジュン」
涙をぬぐったAさんの顔は晴れやかなものだった。
「ぼくの言ってることが分かればいいんだねっ!」
そう言うと、おひいさんは嬉しそうに笑い、
Aさんの頭をわしゃわしゃメアリのように撫で始めた。
オレも安心しちまって、ちょっとばかりか数日は調子に乗りそうだ。
「おひいさん、嬉しいのは分かりますけど、あんたは風邪なんですからねぇ」
「えへへ、そんなことわかってるよ、ジュンくん!」
おひいさんの温かさはオレまでも笑顔にさせてくれる。
温かい光、太陽のようで眩しいくらいだ。
…おひいさん、やっぱりあんたはほんと凄いっすよぉ。
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ふわむにゃ(プロフ) - ゆゆさん» 恐縮です…!有難うございます…(T_T) (2019年4月25日 18時) (レス) id: af6be9856c (このIDを非表示/違反報告)
ゆゆ - めっちゃ面白かったです!おひぃさん好きなのですごく嬉しかったです!これからも頑張ってくださいね! (2019年4月22日 20時) (レス) id: 7a65a72ca7 (このIDを非表示/違反報告)
ふわむにゃ(プロフ) - ゆぅあ(o・ω・o)さん» 有難うございます…!更新頑張りたいと思います。(^^ゞ (2019年2月9日 22時) (レス) id: af6be9856c (このIDを非表示/違反報告)
ゆぅあ(o・ω・o)(プロフ) - 頑張ってください! (2019年2月9日 21時) (レス) id: e4352aec9e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ふわむにゃ | 作成日時:2019年1月27日 1時