九話 ページ10
『じゃあ、数日ロボロをよろしくね。』
「おう、まかしとき。なあロボロ、この俺がAには到底買ってもらえないような旨いものたくさん食わしたるわ。」
「やったーーー!」
『変なこと布教しないでよね。』
翌日トントンのヒートが始まったのでロボロを彼が落ち着くまで兄の家に預けることにした。
『そういえば仕事忙しいって聞いたけど、、。』
もしあの時の返信が嘘で実は上司に無理矢理お願いして休んだとかだったら申し訳ない。
だが、兄はそんなことはないと言った。どうやら最近関東から関西の本社に異動になった人がいるらしく、その人は仕事も早くて尚且つ大学生になるまで関西に住んでいて気も合うし面白い人なんだとか。
忙しかった仕事もその人のおかげで予定より早く終われたらしい。
少し話して2人と別れた私は荷物を持ってトントンの家に入る。ちなみに合鍵はお互いに持っている。
『入るよ。』
ノックをして寝室に入った。右側を見るとベッドの上に何やらもっこりとしたものが乗っている。
「おお、A。すまんな、気づかんかったわ。」
『大丈夫。はいこれ、薬とゼリーね。薬箱漁ったよ。』
「あんがと。」
『ごめんなさいね、社長じゃなくて私がお世話係で。』
少しからかってみるとまだ少しは気力があるのか、それとも無理矢理声を出したのか分からないが反論してきた。
「社長って言うなあ。俺はあの人とどうこうなろうとは思ってないんや。ただ一方的な好きなだけなんや。」
トントンは現在私たちの会社の社長に恋をしているのだ。その人はこの会社唯一の番なしのαなのだが、今のとこ何も騒動を起こしていないのでみんな社長のことを認めているし、何よりとても仕事ができるので人望も厚く社員の憧れの的である。
『そっか。じゃあ今日は思いっきり発散しちゃいなよ。私買い物に行ってくるから一、二時間は帰ってこないよ。』
「毎回思ってんねんけどそう直接言うのやめえや。、、、、、まあ、するんやけどさ。」
トントンはこれからヒート中のΩ恒例のアレをすると言うので私はトントンの日用品や食材など一週間分の買い物に行こうと思う。
ドアノブに手をかけた時、ふと疑問に思ったことがあったのでトントンに尋ねた。
『そういえばさ、トントンはいつも1人でする時前、後ろどっちでやるの?』
「っ!?そ、そう言うことは聞くなやあ!!早う行ってこんかい!」
思いっきり枕を投げられた。
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作者名:J | 作成日時:2021年12月18日 8時