もう離れないで【zm】 (ページ19)

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十八話ページ19

翌朝、午前七時。シャオロンがロボロを迎えに来た。
結局昨日はトントンが会社に泊まることになり、ショッピ君も朝までここにいると言ってくれていたがそれではお相手さんに誤解を生みかねないと思い、駄々をこねていた彼を無理矢理帰らせた。

怠すぎる体でロボロを世話できるか不安だったが、ショッピ君がロボロをお風呂に入れ、歯磨きもしてくれたおかげで後は寝るだけだったのでなんとかやりきれた。

「すまんな、遅れてもうて。体調は大丈夫か？」

『うん。まだ二日目だから辛いけど今日はトントンがいるし大丈夫。』

おそらく今日の午後にでもマッハで仕事を終わらせ帰ってくるだろう。

ふと、視界に入り、シャオロンの目元を見てみるとうっすらと隈があった。
昨日のこともあってよく眠れていないのだろう。二週連続、週末はロボロの面倒を見てもらっているし、忙しいのにも関わらず休む時間がないのでは。

『ねえ隈大丈夫？今日のことも無理してないか心配だよ。』

「なに言うてんねん。こんなもん平気や。俺は三ヶ月のうちの二週間以外の休日は休めるけど、お前ら親たちは休日すらないやん。それと比べたらこんなもん屁でもないで。」

ふふん、と効果音が出そうなポーズをしながら反論してきた。
生まれてから今日まで26年。初めて兄がたくましいと思った瞬間であった。....いや、流石にそれは言いすぎか。

『こんなかっこいいこと言えるんだね。』

「失礼な妹やな、ほんまに。」

確かに私たち親に(特に一人親は)休日は無いに等しい。
たまに遊びに出掛けても息子が心配でみんなより早く帰ることなんてざらにあるというか毎回そうだし、遊んでいても常に頭の隅には息子がいる。

『.........あ。忘れてた。』

「お？何や。」

『シャオロンに聞きたいことあったんだった。』

突然なにかを思い出した彼女。張り付けたような笑みを浮かばせながら兄に言った。
彼は知っている。彼女のこの顔はとってもとっても怒っている顔だということを。

「(なんかこいつ起こらせるようなこと言ったか？、、あ。)」

これから聞かれるであろう質問の内容を察した彼は、この後の彼女の説教のことを考え、恐怖で身震いするのであった。