恋愛ごっこ【JK】 (ページ29)

今日:24 hit、昨日:10 hit、合計:299,947 hit

#29 ページ29

「レンタルの恋と本当の恋の区別ができなくなったお客様に乱暴されただけ」

「乱暴って、度が過ぎてるでしょ」

そう言って私の頭を優しく撫でてくれる

その優しさに涙が思わず出る。

「やめて、優しくしないで」

誰のことももう信用したくないの

裏切られたくないから

やめて、

ジョングクとの時間が自分の中で大事になっているのが

気付かないふりして避けてきたことが

いやでも彼が自分の中で癒しの場所になりつつあることを実感させる。

「もう話したくない」

そう冷たく突き放しても

「いいよ話さなくて、話したくなったら教えて」

優しく声をかけてくれる彼が……

いつのまにか好きになっていたのかもしれない。

それでも私たちの関係は友達でも恋人でもない。

レンタルされる身と買主。

お金ありきの関係だから。

　
私のこの気持ちは胸にしまっておこう。

彼があいつのような人間なのかもしれないって

そう思わないのに思うようにして

好きって気持ちを誤魔化して。

少ない時間だけでわかるジョングクの人柄を脳内であいつにすり替えて

「もう会いたくない」

気付けばそう言い放っていた。