青城に天使が君臨しました。【青葉城西】

32 【わざと作戦3】 ページ34

国見side



ホント、これが属にいうドンピシャだと思う。



『き、聞いちゃったんだけど………』



及「え、あ、そのーっ」



及川さんは頭を掻く。



A先輩の目は凄い潤んでいた。



『…みんながそんなこと思っててくれただなんて、』



クスリと微笑むその笑顔に心打たれる俺ら。



岩「…いや、違っ…そう、揚げ出し豆腐！」



及「は、、、」



岩「皆で好物について話してたんだよ！」



岩泉さんの照れ隠しがなんだか同感する。



『……？』



A先輩がぽかんとする。



及川さんの顔は引きつっている。



そして、A先輩は口を開く。



『…私の好物はー』



なんと、話に乗ってきた。



及「確か、ポテチだよねー」



『そう、ポテチだよ。だけどね、一番の好物はー』



及「え、、、」



確かにポテチだったはずだけど………



『こんなに私のことを思ってくれてる皆だよ！』



涙目で潤む瞳、



そして綺麗にかたどった顔を少しふにゃっと歪ませ、



『………………大好きっ』



そうつぶやくと、A先輩は先に体育館へ向かっていった。



そのあと、部員で肩を寄せ合い、泣きあっていたことは忘れられない。

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