お節介 ページ20
「ミヤザワさん、おにいさん、おねえさん。だいじょうぶですか？」
「はい、少しお腹空きましたねぇ…」
「こっちは大丈夫、ナオミは？」
「全然平気ですわ。敦さんは？」
この中に敦がいない事が判ると少し頭を抱えたまま敦を探した。
案外簡単に見える場所にいて、敦に近寄ると敦に安否を尋ねた。
「にぃに、だいじょうぶ？」
「うん。Aこそ、怪我してない？」
「ケガしてないよ、ほらツルツル」
彼の手を持って自分の頬へ寄せるとグリグリと回した。
「……」
無言で彼の背中に抱き付いた何か。
その何かを察知した後、Aが嫌悪を顔で示す。
「なんできたの…」
「彼を心配して何が悪いの？」
折角2人で楽しんでいたのにと歯を軋り鏡花を見下ろす。
「ううん、心配してくれてありがとう。鏡花ちゃん」
前屈みでお礼を言う敦に嫉妬の眼差しで見つめるA、その2人に呼び掛ける声があった。
「それでは私達は此れで失礼するよ」
3人はその男に視線を向けた。
男の隣には愛らしく、男の見せてくれた写真と似た少女が立っていた。
「あ、みつかったんだ」
「この通りね」
男は少女の頭を撫でる。
「それより、其方のお嬢さんは具合は大丈夫かい？終始頭を抱えていたが、専属の医師がいるならその人に診せた方が良い」
「そ、そうなんですか…！ごめんA、気付かなかった」
「……わたし、がまんづよい じょせいだから。このていどのコト たいしたことない」
彼女は鏡花の前に立って敦の隣だったが、その言葉を聞いた街医者が目を細めて警告した。
「何もないと高を括っていると、孰れ大病に繋がる恐れがある。念の為、医者に診せて貰った方が良い」
「ぜんしょします」
「何なら私が診てあげようか？」
「こっちにはアナタみたいなヒトよりビジンなせんせーがいるのでけっこうです」
「そこまで言われたら傷つくなあ」
実際に傷ついてるのか判らない位に陽気なおじさんと和やかな雰囲気に少し苦笑を浮かべる敦。
「少年、どんな困難な戦局でも必ず理論的な最適解はある。混乱して自棄になりそうな時程、それを忘れてはいけないよ」
「はい！」
男からの
「ちゃんとお医者さんに診て貰うんだよ？」
「うるさいですね。はやくかえってください」
「そうかい。ではでは」
男は手を振って背を向けたのだった。
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ほんばし(プロフ) - エレンNo2さん» コメントありがとうございます。面白いと言ってくださり、ありがとうございます。自己満足で書いている作品ではありますが、そう言ってもらえるととても嬉しいです。ありがとうございます！ (2023年1月11日 17時) (
レス) id: cf71fd7287 (このIDを非表示/違反報告)
エレンNo2 - 僕…文豪ストレイドッグス大好きなんですけど、すっごいおもしろかったです！ (2023年1月11日 16時) (レス) @page2 id: 84c79903b2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ほんばし | 作成日時：2020年1月14日 21時
