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否定 ページ9

「同棲なんて聞いてませんよ!」

「そうですね。なっとくのいく せつめいを ぜひとも おねがいしますよ」

「ええ〜〜……。部屋が足りなかった」



朝ご飯をさっさと食べた後に探偵社にて事情の説明をしてもらうとこんな回答だ。



「そうですか。アナタのへやにいれれば いいじゃないですか」

「年端もいかない娘と良い歳した男が1つ屋根の下で暮らせって言うのかい?」

「いいおくさんに なれますよ」

「貴女に決める権限は無い」



鏡花を押し付けようとするも、鏡花から睨まれて一喝した。



「そんなに言うんだったら、貴女がこの人と住めば良い」

「さけぐせわるいし、おんなぐせわるいし、おんなのひとから さされそうだし、そうじもしないし、たべるイシが みあたらないし、ダザイさんといても いいことなさそうだから ゼッタイにイヤ」

「……それだったらしょうがない。アテが決まるまで彼の家に住んで」

「もともと、すんでたんだけど?アテがきまるまで すむのは、アナタのほうじゃない?」



女同士の不毛な争いの中で勝手に決められる事は露知らず、敦は2人を混ぜちゃいけないと気を付けつつもボロクソに言われてる太宰は胸元を掴んで苦しそうにしていた。



「太宰さん?如何かしたんですか?」

「いいや……。考えてもみて敦君。後輩から此処まで言われたら、しかも美女から硝子の心が金槌で何度も叩かれて粉々になってしまう位のショックでもう私生きていけないかも…」

「良かったじゃないですか」

「君も最近辛辣になってきたねぇ…。先輩として嬉しい限りだよ」



太宰が泣いたフリをするのを敦は一眼見て判ったので敢えて同情せずに適当に流した。



しかし傷ついてる事は本当であった。



「まあ、私が彼女の同棲を提案した理由はね……」



チョイチョイと手を振っておいでと会釈すると敦の耳元でこう囁いた。



「縁者もいない彼女は沼の中の様に孤独だ。それに組織の刺客が来るかもしれない」

「確かに…」

「Aちゃんも、君の説得なら耳を傾ける筈だ。君が護るんだ」

「判りました…!」



敦は立ち上がるとAの下へ行って腕を掴んだ。



「A、一寸いい?」

「うんいいよ。このこと はなすよりかは なんばいもマシ」



そう言って鏡花に親指を向ける。



敦はそのままドアを開けると社内から退室した。

了承→←第6章 たえまなく過去へ押し戻されながら



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ほんばし(プロフ) - エレンNo2さん» コメントありがとうございます。面白いと言ってくださり、ありがとうございます。自己満足で書いている作品ではありますが、そう言ってもらえるととても嬉しいです。ありがとうございます! (2023年1月11日 17時) (レス) id: cf71fd7287 (このIDを非表示/違反報告)
エレンNo2 - 僕…文豪ストレイドッグス大好きなんですけど、すっごいおもしろかったです! (2023年1月11日 16時) (レス) @page2 id: 84c79903b2 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ほんばし | 作成日時:2020年1月14日 21時

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