わん。 ページ3
主人公siad
「えー…このように主人公は…」
今は授業中。今日はA組で国語の授業である。
カツカツと黒板に白のチョークを記入していくと教室に響くのは鉛筆の音と、少しの話声。
煩かったら怒鳴ってたけど少しだったらまあ、私も学生時代人に言えた綺麗な話じゃないし、許している。
寝ていたら飛びっきりのお仕置きをかましてあげるけどね。
「ぐー…ぐー…」
誰かの寝息が聞こえて、私はピタッと手を止めると後ろを振り向いた。
振り向いてみると松野次男が、気持ち良さそうに寝ている。
六つ子の中では珍しく部活をしており、部活に活気を出しているのか毎日楽しそうにしているのを見掛ける。
部活に入る前は普通に話せていたのに今ではすっかり厨二発言しては兄弟に痛がられているのを最近よく見る。
「…こらぁ其所の次男坊!起きなさい!」
「んぅ…何だガール…ぐぅ」
「寝るなー!起きろ!…仕方ない、五男!」
「はいはいはいはいはーい!なんすか!?なんすか!?」
「次男起こして!」
寝ていなかった五男に声を掛けると五男は嬉しそうにパアッと顔を明るくして席から離れているのにも関わらずガタッと喧しく立つと次男に近付き…
「兄さーーんっ!朝!朝でっせ!おはよん!」
「んー…十四ま〜つ、俺は今微睡みの中に…「兄さん?」…起きます」
うわー…五男って時々圧力があって怖いんだよねぇ。
次男は欠伸をすると気だるげにしつつも「グッモーニン、ティーチャー」と、人差し指と中指をくっつけながらキラキラした目で挨拶した。
四男の言葉を借りるならば糞顔、と言う。
「あっは!よく寝てたね兄さん!」
「ああ。もう少しあの安からな眠りに付きたかったな」
「兄さん今此処でやきうしやすか!?」
「ごめんなさい」
…普通にしてれば三男よりまともなんじゃないかなぁ、次男って。
素直に謝れるし。この厨二は演劇でハマったのか、それとも尾崎に対しての敬意なのか。
尾崎ってこんなのだったっけ?…次男、もう少しお前は自分を見つめ直すべきだよ。
このまま不憫扱いになるのが目に見えて、私はこっそり溜息を吐いた。
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作者名:ちーちぬ。 | 作成日時:2017年11月10日 9時