忘れられない香り ページ3
:
樹「…はよ」
「おはよー」
樹「…やべえまじでねみぃ」
「うん、そんな感じする。よく起きれたね」
樹「ちょい膝貸して」
「ん」
柔らかな空気感に包まれて横になると
微かに香る彼女のかおりが
心をほぐして
まぶたが重たくなっていく。
「おやすみ」
遠のく意識の中で
ふと過去の記憶が蘇ってくる。
◇
「樹、起きて」
樹「……ん」
「いつまで寝てんのー」
樹「……うわぁマジか寝てた」
俺の顔を覗き込む
今よりもちょっとだけあどけないAの顔は、
駅前のファストフード店のガラスから差し込む
夕陽のオレンジに照らされていた。
違う高校に通っていた俺たちは
それぞれに違う制服を身に纏っている。
少し緩めた襟元のリボンと短めのスカート。
樹「…やっぱりさ」
「ん？」
樹「一緒の高校だったら待ち合わせなんかしないでよかったのに」
「嫌？待ち合わせ。デートみたいでいいじゃん」
樹「…お前さぁ」
「ほら、樹が全然起きないからもう日暮れちゃう。早く行こ」
ステージに立つAは
触れたら怪我しそうなくらい
ひやりと輝く尖ったガラスのような
存在感を放っている。
だけど今目の前にいるのは
きっと、ただの、普通の女の子。
普段からそんなに
テンションの波がないAだけど
ジャニーズJr.という看板のない
プライベートなこの瞬間は
特に彼女の独特な柔らかい雰囲気に包まれる。
あの日、
綺麗な黒髪が靡いて届いた彼女の香りが
何故かずっと忘れられなかった。
◇
「樹、そろそろ起きて」
聞き慣れた声に目を開けると
あの日よりも大人びたAの顔が目に入る。
「…なに、じーっと見て」
樹「夢見てた」
「どんな？」
樹「俺らが高校生のときの」
「ほー」
樹「俺、お前が堀越来なかったこと今でも恨んでるのかも」
「なんだそれ(笑)寝ぼけてないでリハ行くよー」
バチンっと(結構強めに)頭を叩かれて
体を起こすと
Aはソファから立ち上がった。
「ほら、早く行こ」
あのときと同じ
忘れられない香りが、また。
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【怪談】1番のビビリは誰？怖い話とプチドッキリで検証→←半年ぶりの食事会＆企画会議
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美紀 - SixTones北斗君と大我君と樹君のオール担当です最高です気温の変化が激しいので気を付けて更新大変だと思いますが頑張ってくださいね応援してます (2019年9月20日 11時) (
レス) id: a31ea93868 (このIDを非表示/違反報告)
みゅー(プロフ) - １つ１つのお話が毎回深くて、らぶちゃんが愛されてるのがよくわかってとっても好きな小説です。更新楽しみに待っています！頑張ってください！ (2019年7月17日 21時) (レス) id: a9f42f7208 (このIDを非表示/違反報告)
ここのつ(プロフ) - らぶちゃん可愛くて芯があって推せます…！お話楽しみにしています！ (2019年7月3日 20時) (レス) id: f719349ae7 (このIDを非表示/違反報告)
MARI(プロフ) - 紅一点もののストーリーで1番好きです！続きも楽しみにしてます☆ (2019年5月2日 23時) (レス) id: 8c3a139d9e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：あーやん | 作成日時：2019年3月12日 22時
