黒ネコさんは悪い人じゃない④【しゅごキャラ】 (ページ25)

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「大丈夫でしょ！」

「だからどこが、」

「二階堂先生はもう私の手駒だし」

…………はい？

二人を交互に見る。え、え？手駒……って言った今？

「霧羽さん、言葉がストレートすぎ。もっと言い方あったでしょ。君もしかして今こはくちゃんとキャラチェンジしてる？」

「？素ですよ。身内だけだし別にいいかなって」

「なんで今こはく？なでしこ、着いていけてる？」

「先生のことは一旦横に置くと……Aちゃん、こはくと"普通に"キャラチェンジすると彼女に口調が似るのよね。あむちゃんは、まだ見たこと無かったかしら」

へぇー、そうなんだ。……ていうか、こはくはAのなりたい自分だもんね。そういえばロストだけじゃない。こはくも、どういうAなのか……あたし知らないや。

じゃなくて。なんかこれ最近もやった気がする。

「手駒って何」

「暗躍担当。子どもじゃ無理なときの大人や保護者役などなど」

「まあそうだね。イースターをやめさせられた後、僕は霧羽さんに"変わるきっかけ"をもらったから。その恩返し。彼女に使われることに異論はないよ。仇で返すこともしないと約束できる」

この二人。な……何があったの？先生と生徒というより友達みたいに話している。にしては内容が誤解されそうなことばかりだけど。恩返しとか、使われるとか。

その理由を聞きたかったけど、そんな時間はないらしい。それぞれガーディアン活動とお説教で忙しい。二人は利害を一致させたようだ。

嬉しくない。こんなときに団結しないでよ。Aはなでしこにガトーショコラの感想だけ付け加えると、本当に職員室を後にした。

え、なでしこのガトーショコラまだ残ってるよね？ややが全部食べたとかないよね？ね？？

◆

やっと解放されたと思ったらもう下校時間。東の空が薄ら暗くなってきていた。ロイヤルガーデンも施錠して、今日のお茶会は結局行けなかった。

「また明日があるじゃん」

「そうだけどさあ……」

ランの言う通り、明日もみんなで集まる。けれどガトーショコラは食べられない。あたしはおあずけだったから歓迎するけれど、さすがに二日連続は嫌だとややが言いそうだもん。

いつも首から下げるハンプティ・ロック。今日はチェーンベルトに付けてみた。たまには気分変わると思って。

夕日に照らされて歩く度にきらきら光るんだ。それを見てたらある奴が頭をよぎる。ダンプティキーの持ち主、イクト。

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