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*yoohei side





「それじゃあお疲れ様でした」




傘を受け取ろうとして差し出された彼女の手。


俺は反射的に腕を伸ばして
彼女の手が届かない高さまで傘を持ち上げていた。




「川上さん?」




どうしたんですか?って顔して彼女が微笑む。




職場のあるビルで会った時はあんまり笑ってみせたりしないのに、
普段はこんなに笑顔を見せてくれるんだ。


そんなAちゃんをもっとたくさん知りたいって思うし、
もっとたくさん眺めていたいよ。




「、、っ、、くしゅっ、、くしゅんっ!」




その時、彼女が顔を背けてくしゃみをした。




「ははっ、2回もしてんじゃん。寒いんでしょ?
やっぱり寄ってって」

「いえ、そういうわけにはいかないので大丈夫です」




どうやら、これ以上はしちゃいけないというボーダーラインが彼女の中にはあるらしく、
このままじゃ絶対に首を縦に振ってくれそうもない。




「・・あっ!、のさっ、実はAちゃんに見てほしいって言うか、
興味あるんじゃないかなって本があるんだけど」




その時、ちょっと噂に聞いて
わざわざ買いに行った本のことを咄嗟に思い出した。




「本、ですか?」

「うん、なんかかっこいいなと思って買ったんだけど
デザイン関係の本だったみたいで、
デザイナーとしては興味あるかなって思うんだけど」

「え、なんていう本ですか?」

「えっと確かタイトルは・・・」




やたら長いタイトルでうろ覚えだったから、
検索した画面が残ってるかもって
スマホを取り出してそのタイトルを読み上げた。




「え!見たいです!」

「じゃあ決まり」




本の名前を言ったら、
Aちゃんは前のめりで食いついてきた。


彼女の顔つきが一気に変わって、
ぱあっと明るくなったのがハッキリと見てとれた。





*

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叢雲(プロフ) - かのんさん» 返信が届いていなかったようなので先程再チャレンジしてみました! (2021年5月31日 20時) (レス) id: 1b9e74f105 (このIDを非表示/違反報告)
かのん(プロフ) - そうだったんですか?こちらも受信履歴にはないですね。まだ続きがある楽しみを幸せに待ってます! (2021年5月31日 0時) (レス) id: 81bb9ddb3c (このIDを非表示/違反報告)
叢雲(プロフ) - かのんさん» 私もメッセージを返信させていただいたんですが送信箱に履歴が無くて...、返信は届いてますでしょうか?After話はもう少し続く予定ですのでそちらもお楽しみいただければ幸いです(^-^) (2021年5月30日 23時) (レス) id: 1b9e74f105 (このIDを非表示/違反報告)
かのん(プロフ) - メッセージ送信するも、その後なぜかエラーで開けず。2人のその後も気になってたので&の方で読めて嬉しかったです!必ず読ませていただきます! (2021年5月30日 1時) (レス) id: 81bb9ddb3c (このIDを非表示/違反報告)
叢雲(プロフ) - かのんさん» メッセージ送ってくださってありがとうございました(^-^)私も元のふたりに戻せて良かったなーと思っております。またお話を更新した際は読んでいただけると嬉しいです。 (2021年5月29日 23時) (レス) id: 1b9e74f105 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:叢雲 | 作成日時:2021年2月19日 23時

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