She’s Berry：2nd

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*yoohei side





彼女と連絡の取れないまま、
気の乗らない作曲作業をして数曲作って
シングルリリースに向けた打ち合わせをしていた。




「あ、やっぱりそれ？
洋平ならそう言うと思った」




これまでに作った曲と今回作った曲の中から
シングルにする曲を選ぶ。


皆んなが良いと言ったのは、
以前、Aちゃんのことを考えたら
嘘みたいにスムーズに作ることができた曲だった。




「うん、俺もそれが良いと思った」

「この中ならダントツだよね」




メンバーからの評価もすこぶる良くて、
満場一致で次のシングルに決定した。




この曲は、最初は全然思うように進まなくて、
だけど彼女のことを考えたら
次々と良いフレーズやコードが降りてきた曲。


そういう時に作った曲には、
やっぱり勢いみたいなものが感じられる。




ここ最近で作った曲に比べたら格段に良いし
確かにイチオシには間違いない。


だけど、Aちゃんと連絡がつかないままだから
手放しでこの曲を推すには若干引け目を感じるんだよね・・・。




でも、皆んな良いって言ってくれてるし、
仕方ないか。




「あ、あとジャケットのデザインなんだけど、
・・・この前の使いたい」

「ああ、コンペした時の洋平イチ推しデザインね」

「うん・・・、」




この曲が出来た時、Aちゃんを想って出来た曲だから
もしシングルとして発売することがあるのなら
絶対に彼女のデザインを使おうと思っていた。




だから、そうお願いしたけど・・・。




あの時の晴れ上がった気持ちが嘘みたいに
今、俺の心は沈みきっている。




・・・デザインを使うことが決まったら教えるって
約束したんだよな。




スマホを手にして少し考える。




メッセージじゃまた見てくれないかもしれない。
だからと言って出てもらえるとも思えないんだけど。




そう思いながら掛けた電話は
やっぱり繋がらなくて。




折り返しも期待できないだろうと、
結局は見てくれるかどうかも分からないメッセージを送った。





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