She’s Berry：2nd

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*yoohei side





それから数日が過ぎた後も、俺の送ったメッセージに
既読がつくことはやっぱりなかった。




少し前に彼女が俺から離れるつもりならと
一度は諦めようとした。




だけどその決意は心のどこかで引っかかっていて、
なんで今、こんなことになっているのか。
やっぱりあの時ちゃんと彼女の気持ちを聞かなかったのが原因なのか。




そんな後悔もあって、
それならせめて俺の真剣な想いだけは、
既読にならないメッセージだとしても
ちゃんと伝えておきたい。




そう思って、読んでもらえる当てのないメッセージに
俺の想いを綴っては今も送り続けている。




なんとかそうして日々を過ごしているけれど、
仕事の方はといえば絶不調。




シングルにする曲が決まってからは
本格的にレコーディングを始めたけれど、
もう何度もその日程を飛ばしている。




「俺は良いと思うけど」

「・・・や、ダメ。なんか違う。
悪い、もうちょい時間ちょうだい」




そう言って、俺はまたスタジオに籠った。




曲のアレンジを何パターンも作り変えているけど、
どれも良くない気がして
レコーディングはまったく進まなかった。




「リリースまでに間に合わないんじゃないの」

「つうか、どのアレンジにもダメって言ってるよね」

「なにがダメなのか聞いても理由もはっきりしないし」

「うーん、まあそこら辺は、理論より感覚派だから
仕方ない所はあるけど・・・」

「なにか別に原因があるんじゃないの？」

「あー、そう言えば最近、ちょっと様子がおかしいっていうか」

「機嫌のいい時がないよね。ずーっと低空飛行」

「ああ、まーくん！それだ！」

「確かにここんとこずっと大人しいというか、
洋平らしさがないよね」

「それ、曲が出来ないせいかと思ってたんだけど」

「曲じゃないとしたらプライベートな方ってこと？」

「今までそんなことあった？」

「いや、でもあいつ、切替は得意な方じゃない？」

「それでも影響しちゃうようなことがあったってこと？」

「そういうことなのかなー・・・」




スタジオの外でメンバー同士がそんな会話をしているなんて、
スタジオに籠った俺には知る由もなかった。





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