She’s Berry

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*yoohei side





「あ、Aちゃん」




顔を上げるとAちゃんが目の前に立っていて
急いでイヤフォンを外す。




「こんにちは」

「ん、久しぶり・・・でもないか笑」




この前会った時からそんなに日にちが経ってるわけでもないのに、
なんで久しぶりに感じたんだろ？


でもその時に、普通に “こんばんは” でも良くない？
なんて俺が言った影響か、
今日は “お疲れ様です” じゃなく普通に挨拶してくれた。




「あの、私のデザインを使っていただけるお話、
ありがとうございました」

「いえいえ、こちらこそ。
承諾してもらえて良かった」

「川上さんのバンドで使っていただこうと思ってデザインしたものですから、
使っていただけるなんて光栄です」

「俺らも素敵なデザインをしていただけて光栄です。
使うことが決まったら知らせるね」

「はいっ、ぜひお願いします！」




俺の言葉に彼女の返事が前のめりになった。




「やっぱり自分のデザインが使われる時は見たいもの？」

「もちろんですよ！」

「そっか。俺らがCD発売される時と似てるかもね」

「そうですか？」

「うん、たまにショップに見に行ったりするもん」

「え、川上さんが？バレたりしないんですか？」

「これがさー、まったく身バレしないんだよね。
俺、オーラないのかな？」




俺の言葉に彼女がふふっと声を出して笑ってくれて、
そういうのを見ると
少しずつだけど気を許してもらえてんのかなーって
嬉しくなるよね。




「今日もスタジオですか？」

「ん、スタジオ待ち」

「満室でした？」

「いや、予約は入れてたんだけどさ、
前の人がね、もうちょっとって延ばしてるらしくて」

「え、それはダメですよ。予約もされたんですよね？
私、言ってきます」

「あー、いいよいいよ。少しくらいなら待つし！」




スタジオの受付に行こうとする
彼女の腕を咄嗟に掴んだ。





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