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消えた凶器 一 ページ37

パシャリ、とカメラのフラッシュが瞬いた。鑑識官が現場を写真に撮り収めるその音により、現場の緊張感を一層高まっていく。そんな中でコナンは、残念ながらというべきなのか、その緊張感にもはや慣れてしまっていた。

「被害者は、芳田(よしだ)利広(としひろ)、五十七歳。今回のパーティーのために澤田正憲氏が臨時シェフとして雇った料理人です。」

刑事の一人が、警察手帳に記されたらしき情報を読み上げる。報告を聞く目暮は、険しい顔で「続けてくれ。」とだけ発した。

「はい。このパーティーの調理を一任されていたようですが、調理中いつのまにか姿を消していたそうです。」
「死亡推定時刻は?」
「死後硬直や死斑の様子から、発見のおよそ三時間前と思われます。」
「とすれば……少なくともパーティーが始まる一時間前には既に殺害されていたのか……。」

「ふむ……」と目暮が考え込む中、コナンは割り込むように「ねえねえ!」と声をあげる。
が、コナンが言葉を続ける前に、がしりと首根っこを掴まれる感覚、そして空中に浮遊する感覚を覚えた。

「おいコナン! お前は蘭のところに行ってろっつっただろうが!!」
「まあまあ、毛利先生。それでコナン君、どうしたんだい?」

安室に宥められ、小五郎は「……大人しくしてろよ、お前はまだガキなんだからよ。」と言いながらコナンを下ろす。彼が父親のごとくコナンを思い遣ってくれている事が分かってしまうだけに、コナンは何とも言えない気持ちになった。
けれど同時に、使命感や正義感のようなものもまた、確かにコナンの中にあった。

「いや、まあ大したことじゃないんだけどね……パーティーの料理って、誰が作ったのかなあって。」
「え、ああ、被害者の助手の金井(かない)健斗(けんと)というコックが指揮を取っていたようだよ。」
「ふむ……その助手は、今どこにおるんだね?」
「ウェイターらと共に、招待客とは別の部屋で待機してもらっていますが。」
「では取り敢えず彼を呼んでくれ。詳しく話を聞きたい。」

目暮が、短い会話の後に指示を下す。刑事は「はい!」と応えて早足でその場を去った。

「さて……ではお話を聞かせて頂けませんか。第一発見者の、中島さん。」

目暮が、部屋の扉のすぐ横に立つ敦に目を向けた。

「はい。」

やや不安げに瞳を揺らした彼は、しかしはっきりと首肯してみせた。

消えた凶器 二→←同時刻、魔都「横浜」にて



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美園(プロフ) - 今日はじめて見ましたがとても惹き込まれました! (12月24日 19時) (レス) id: 69d991c9f1 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - 大好きな作品です…! (6月29日 17時) (レス) @page1 id: 7b1be7f011 (このIDを非表示/違反報告)
むる - え!?!?!?!更新なくて残念です泣泣泣めっっっちゃくちゃ気になります………すごく読みやすくて設定も凝っててめちゃめちゃ良かったです。 (2022年8月14日 2時) (レス) id: 6ed738b467 (このIDを非表示/違反報告)
ししゃも(プロフ) - 続きが凄く読みたいです。更新お願いします! (2022年7月27日 8時) (レス) @page43 id: 4d9c9f1a17 (このIDを非表示/違反報告)
舞琴(プロフ) - めちゃ続きが読みたいですっ!!!!更新待ってます!!!!!! (2022年4月23日 23時) (レス) id: 6e4f314873 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:菫色 | 作成日時:2018年4月29日 20時

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