ミントジュレップ、カクテル言葉は“明日への希望” ページ8
そんな彼女に助け船を出したのは志保の「もしかして、日本語が解らないんじゃない?」と言う一言だった。
そんな事はないはずだけど……そう思いつつ口を開くと「わかる……解るわ。」と彼女が
『お姉さん、誰かと一緒に来られたんですか?……スマホ、壊れてるし…。』
彼女の隣にポツンと置かれたスマホは画面に大きな亀裂が走っており、微かに水気を帯びてるよう。
見るからに再起動は難しく、データも修復出来るのかも怪しい。
…と言うか彼女の服自体も冷えきってるじゃん!
『身体を冷やしたらいけないですし、これ羽織って下さい。』
カバンからタオルを取り出し、肩に掛けてたジャケットを彼女に渡す。
「け、けど……服が濡れちゃうわ…。」
『そんなの平気ですから!貴女の身体を暖める方が重要です。』
彼女の肩にジャケットを掛け、タオルを膝の上に乗せた。
『江戸川、お姉さんの事少し側に居な。』
コ「え、Aさん!?」
財布を持って近くの自販機を探しに走った。
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案外早く自販機は見つかり、商品を選んでるとポケットに入れたままのスマホが震えだした。
画面を見て確認すると【S】と表示されており、私はすぐに耳に押し当てた。
『こちら“ジュレップ”。どうしたの?』
《“どうしたの”じゃない。先ほどの連絡は本当か、A。》
『ちょ、折角コードネーム作ったのに意味ないじゃん秀さん。』
電話越しに溜め息が聞こえ、私は思わず苦笑する。
《質問に答えろ、キュラソーを見つけたのは本当か?》
『居たよ。けど様子がおかしいんだよね。』
《おかしい?どう言う事だ?》
手短に先ほどのやり取りを説明すると秀さんが小さく唸ったのが解った。
『ね、おかしいでしょ?昨日カーチェイスで逆走までした人とは思えない。』
《演技……とかか?》
『あの短時間で私達の関係性まで辿り着けないよ、それに演技するにしても変装とかするって。』
「そうだな…。」と秀さんは難しそうに呟き、私は一つの可能性を唱えた。
『もしかしてだけどさ、秀さん。』
《どうした?》
『…彼女、記憶喪失になったんじゃない?』
そうでもない限り、あの変貌は納得出来ない。
変な違和感も無かったし、なにより彼女は本気で途方に暮れていた。
公安が血眼で探してるのに、わざわざ人気の多いあんな所に居るなんてリスクが高過ぎる。
◇こちらの“協力者”とあちらの“協力者”◇→←“彼女”との出逢い
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四條暁(プロフ) - 明けましておめでとうございます!!今年も皆様にとって実り多い年になる事をお祈りいたします!これからも宜しくお願い致します!!m(_ _)m (2021年1月1日 1時) (レス) id: e97b238670 (このIDを非表示/違反報告)
四條暁(プロフ) - 【3R】の正体、皆さんは分かりますか?(お気に入り登録49人突破!登録して下さった方、読んで下さってる方に感謝です(*´▽`*)) (2020年12月27日 18時) (レス) id: e97b238670 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:四條暁 | 作成日時:2020年12月20日 4時