【ymcn】Happy Whiteday!!!! ページ1
◇学パロ。幼稚園からの幼馴染な高校生ふたり。
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Cn.
ん、とぶっきらぼうに差し出されたロリポップキャンディに、僕はどんな表情をするのが正解なんだろう。親友好みの真っ赤なイチゴ味を見つめて、僕はそんな疑問を抱いた。
「何ボケっとしてんだよ。早く受け取れって」
「いや、受け取るけどさ、なにこれ」
「何って、アレだよ。ホワイトデー」
つくづくこの親友は口が悪いな、と思いながら聞けばホワイトデーだなんて彼は言う。僕なんかにホワイトデーを用意するより、もっとそうすべき人達がいるはずだろう。丁度1か月前、大きな紙袋2つじゃ到底収まらない量のチョコを貰っていたのだから。
「僕何か涼介にあげたっけ」
「くれたじゃん、チロル」
チロルチョコか。そういえばあげた。バレンタインデーの放課後、寄り道したコンビニで買ったやつ。彼がどうしてもと強請るのが面白くて、つい買ってしまったのだった。
いや、だからといってわざわざ他の女の子達を差し置いて僕にお返しなんかくれていいのだろうか。というかこれが何かの拍子にその女の子達にバレてしまったら僕の命が危ぶまれることはないだろうか。脅されたらどうしよう。
本気で怒った女の子は、色々と面倒だし色々と怖い。姉の人付き合いを見ていたから、そういうのは何となく分かる。
動揺のあまり思考回路が可笑しな方向へと進み始めた。でもあんなに小さなチロルチョコに僕はそれだけ大きく育った一世一代の気持ちを込めたのだから、これくらいは許してほしい。
笑えないことに、僕はうっかり幼馴染のこんな口悪イケメンに恋をしてしまったらしい。それも拗らせに拗らせてもう3年目。
そんなことに気付きもしない彼は、今日もこうして僕の勘違いを誘う。
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作者名:不定期更新 | 作成日時:2019年3月15日 8時