My Girl

＊ ページ21

大貴にメッセージを送った後
ﾌﾞｰﾌﾞｰとなり続ける私の携帯







私｢でも｢いいから！！降りてこいっつってんの！｣








鳴り止まない電話に痺れを切らして出たら大きな声で怒鳴る大貴







なんであんたにこんなこと言われなきゃいけないのよ








なんて考えが浮かぶけど、大貴のあんな声聞くの初めてで少し怖くて








私｢涼介やっぱ私、帰るね？また今度ゆっくり会おう？｣









涼介｢そっか、それもそうだね。送るよ｣








私｢ううん、大丈夫。大貴が来てくれてるみたいだから｣








そう言って荷物を軽くまとめる







マンションのエントランスまで涼介と降りると見慣れた黒い車から降りてくる大貴の姿が目に入る









大貴｢久しぶりだな山田｣









山田｢久しぶり、大ちゃん｣








今まで見たこともないような表情の2人









大貴｢A、いくぞ｣








私｢あ、うん。ありがとね涼介！また連絡する｣








涼介｢おう、気をつけろよ｣








助手席に乗り込むと同時にかかるエンジン
あっという間に涼介の姿は小さくなっていった








私｢ね…スピード出しすぎじゃない？｣








大貴｢…..｣








何を言っても一言も喋らない大貴
こんなの初めてでどうしたらいいかわからない









私｢心配かけてごめんね？｣







大貴｢…...｣








大貴の瞳は一点に赤い信号を見つめるだけ








私｢本当に何も無かったよ。大丈夫、酔って1晩泊めてもらっただけだから｣








一瞬ﾋﾟｸｯと大貴の眉が下がった








大貴｢記憶無くすんだから、飲みすぎんなっていつも言ってんじゃん俺｣







初めて目が合ったけど、大貴の瞳は少し赤く充血してて、いつものようなキラキラした黒い瞳じゃなくて






私｢ごめん…｣








叱られた子供のようにそっと下を向いて黙りこくることしかできない私








大貴｢謝って欲しいとかそういう訳じゃなくて…っその…｣








言葉を1つ1つ探して選びながら慎重に私に何かを伝えようとする大貴








大貴｢なあ、お前ほんとに山田のことなんとも思ってねえの？｣









私｢……｣









ほんとはもう自分の気持ちには気づいてたけど









私｢っ....｣









顔をあげてもう一度大貴を見ると驚くほど悲しい顔をしてて
そんな彼に何故か初めて本当のことが言えなかった

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