�察� ページ8
『私達はきっと何時か会ったことが有るんですわ。
よく見たら貴方も私の兄に似ているし…ねえお兄さん、お名前は？』
私は彼に名を尋ねる。
「ドストエフスキーです。」
『私はアグラフェーナ。』
私は名字を名乗らなかった。
私はアグラフェーナ、私はアグラフェーナ…口の中で繰り返す。
「貴女は親切ですね。最初から名前を呼ばせてくれて。」
『名字で呼ばれるのは好きじゃ無いの。貴方は？』
ひょっとして、彼は私を疑う事を諦めているのかもしれない。
私は急に不安になって『私の兄はフョードルだった。』と付け加えた。
「偶然ですね。僕もフョードルですよ。」
彼は焦る。まるで小鳥が石を投げられる瞬間の様に。
『じゃあ、フェーヂャね。ねえ、フェーヂャって呼んで良くって？』
「御自由に。」
『兄様がここに居るみたい。』
彼の手が私の顎を触る。
『どうかしましたか？』
「…すみません！本当にそっくりで驚いただけです。」
彼が手を引っ込める。
兄様、兄様、貴方は狡い。
どうせなら、目玉だって貴方に触らせるというのに。
『でもねえ、貴方と私は全く似てないじゃない。貴方の妹さんも貴方と似ていなかったの？』
「ええ…」
彼は未だ私をじっと見詰める。
『ねえ、フェーヂャ？』
私は彼の首に手をかけると、彼の紫色に輝く目を見詰める。
『兄様！ああ、兄様！何で私を置いて行ったの？』
勿論これは芝居。
私は未だ辛うじて(貴女)に戻っていない。
彼は黙っていた。
妹そっくりの女に顔を押し当てられても、泣かれても、黙っていた。
兄様、見ているのでしょう?お願い、隠れないで!
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呉 モヨ子(プロフ) - もこもこ・といれってぃさん» そうなんですね！改善します。報告有り難う御座います。私もドス様のお陰で不眠症です。その代わり、幸せな夜ですけど。 (2018年8月17日 21時) (
レス) id: b8f663826c (このIDを非表示/違反報告)
もこもこ・といれってぃ - 名前のところは、(貴女)ではなく(名前)でなければ(貴女)のままですよ。PS.ドストエフスキーが好きすぎて夜も眠れません。 (2018年8月17日 10時) (レス) id: 954a1d9cbc (このIDを非表示/違反報告)
呉 モヨ子(プロフ) - 千風さん» 有り難う御座います！…性癖恐るべし。 (2018年8月7日 19時) (レス) id: c32dec85a0 (このIDを非表示/違反報告)
千風(プロフ) - 投票させていただきましたー！ ……性癖って怖い。← (2018年8月7日 18時) (レス) id: d4838ee308 (このIDを非表示/違反報告)
呉 モヨ子 - 千風さん» 本っ当に申し訳ございません！更新自体はちょくちょく出来るんですけど、細かい修正や展開の確認で公開出来る状態じゃないんですよ…気長にお待ち下さい。コメありがとうございます！ (2018年3月31日 15時) (レス) id: e69ac68703 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：呉 モヨ子 | 作成日時：2017年9月3日 10時
