7月7日 ページ6
沖田side
昼が延び始めた7月上旬。
しかし粘った太陽も沈み暗くなった時間帯に、俺達真選組は見廻りをしていた。
「……」
「……」
………つまらねぇ。
「土方さん。最近攘夷浪士が活発になって夜の見廻りを強化するのは分かりやすが、何で俺とアンタが一緒なんでィ。うっかり攘夷浪士と間違えて土方を処してしまえという神のお導きですかィ?」
「うっかり間違えて処すんじゃねーよ。神と言うかゴリラのお導きだ。黙って従え」
「冗談じゃねぇや。こちとらAとの約束取り消してまで仕事してるんですぜ?それぐらいの褒美があったっていいじゃないですか死ね土方」
「ストレートに欲求を吐くな!!…攘夷浪士共がAを含む町人に危害を与えないように今見回ってるんだろ。そこを間違えんじゃねぇぞ」
「へぃへぃ」
7月7日。七夕らしく天の川が流れる空を見て、俺は1つため息をついた。
夜のかぶき町は、昼間とはまた違った空気を醸しだしている。
男と女が戯れる夜の街の明るさの反対に、攘夷浪士が潜みそうな裏路地が闇に埋め尽くされている。
「土方さん。こっちの道行ってみやしょうか」
そのうちの1つを選び、一応上司である奴に確認をする。
…が、返事がない。
「土方さん?」
「…あ、ああ。行くか」
スタスタと先を行く鬼の副長。
見間違いでなければ煙草を持つ手が震えていた。
「…土方さん。怖いんですかィ?」
問いかけると、ピタリと足が止まる。
「ば、馬鹿言ってんじゃねぇよ総悟。こんな道が怖いわけねぇだr((ギャア!!!ギャア!!!(※カラスです)
土方さんが何かもぞもぞ言っている途中にカラスが音を立てて飛んでいった。
と、同時に土方さんの姿が消えた。
代わりに足が逆さに生えた大きなポリバケツがそこにあった。
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作者名:ひつじ | 作成日時:2020年4月18日 16時