泡沫の夢(死ネタ) ページ3
貴方の瞳を何時も見ていた。
赤く光を宿したその瞳は何時でも前を向いていて、
己をしっかりと保ったまま、貴方は真っ直ぐ生きていた。
そんな貴方だからこそ、私は貴方に恋をした。
遠くから見ていただけの私に、声をかけてくれた時は幸せで死ぬかと思った。
貴方の幸せをただ願っていただけなのに、貴方の世界に入れるだなんて思ってもみなかった。
貴方の隣に居られた事。
貴方と話せた事。
分かち合って、笑いあった事。
貴方と居られた時間の全てが、私の宝物になった。
でも、私と貴方は逢ってはいけない立場だったから。
貴方の刃の先に私が居て、私の刃の先に貴方が居る。
私の全ては貴方を見ていて、貴方の全ては私を見ている。
こんなときですら涙ひとつ溢さないで、
貴方は真っ直ぐ前を向いていた。
やっぱり好きだなぁなんて、
こんなときですら思った。
鋼色が交わって、赤色が舞った。
貴方の瞳と同じ色。
私の好きな瞳の色。
ああ、私はとっても幸せだったよ
知らなければ、逢わなければ良かったなんて
思えないくらいに。
だから、お願いだからそんな顔しないでよ。
世界がぼやけて、頬を伝った。
ずっと待っているから、また貴方と逢える日を。
今度はずっと一緒に居られるような人生を。
ずっとずっと、待っているから。
ありがとう
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作者名:ひつじ | 作成日時:2020年4月18日 16時