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誘拐 ページ14

誘拐というものに初めて遭った。

昼、総悟に会いに行こうと思ったら、道中に後ろから口を塞がれて、そのまま意識を失った。

今私は暗闇の中。恐怖で混乱していたが、それでは何も始まらないとどうにか心を落ち着ける。
…どうやら今私は目隠しをされて、体を縛られ、車に乗せられているようだ。持ち物も奪われてしまった上に口にはガムテープが貼られていて、助けの呼びようもない。

どれくらい経っただろうか。揺れが止まった。車が目的地に着いたようだ。

「おい、起きてるか」

野太い男の声。目隠しが外されて、光が目に刺さる。何処かから工事の音も聞こえる。

「降りろ。歩け」

強い語調で命令する。その手にはナイフが握りられていた。きっと私が変な動きをしたら、何処かしら刺して動きを止めるつもりだろう。

大人しく命令に従い、暗い工場の中へ歩いていく。
工場の中には椅子が1つあり、周りに腰に刀を差した男が十人以上立っていた。私を拐った男の仲間だろう。

「そいつがそうか」
「ああ、間違いない」

何かの確認を終えたあと、男の1人が突っ立っていた私の髪を引っ張り強引に椅子に座らせた。痛みに顔をしかめるも、すかさず他の男が手足を固定する。大分手際が良い。

「おい」

ベリッと、私の口のガムテープを勢いよく剥がし、男が何かの端末を目の前に突き出した。

「喋れ」
『…はぁ?』

≪A…!!A!!無事かィ!?≫

『…ッ!!総悟!?』

どうやら端末は通信機のようだ。
総悟の声をもっと聴く間もなく、また通信機を遠ざけられる。
でも良かった。総悟の声を聞いて、少しだけ安心した…。

耳を澄まし、男と総悟の会話に集中する。
どうやら私は総悟の彼女だからということで拐われたようだ。彼を1人で呼び出し、大人数で殺す算段なのか。
そこまで考えた瞬間声が出ていた。

『総悟!来ちゃダメ!』
「うるせぇ喋るな!!」
『うぁっ!!』

途端顔を殴られる。
そのままの勢いで椅子ごと倒れた。
痛い。痛みで思考がままならない。
滲む視界の中、男が通信機を切った。

その2→←その2



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作者名:ひつじ | 作成日時:2020年4月18日 16時

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