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「ひ…やぁ…っ」
「この愚か者が…!
俺を忘れるなど、許されると思ったか…!」
初めて虎杖悠仁の部屋を訪ねた。
しかし扉を開けてAの顔を見た途端に彼は虎杖悠仁ではなく両面宿儺へと代わっていた。
そして彼女を壁に張り付け、乱暴に口付けた。
「ちょ、ちょっと待ってください…っ」
虎杖は宿儺を制御できるのではなかったのか
どうして突然宿儺に成ったのだ
ぐるぐると回る疑問と体中に噛みつかれる甘い痛みで混乱し、Aはぽろぽろと涙を流していた。
それに気付いた宿儺はバツが悪そうに優しく彼女のこめかみにキスを落とす。
「泣くな、A。
やっと相見えたのだ」
彼女の肩に顔を埋め、愛しそうに、優しく頬を撫でた
その時、記憶の底から懐かしい感覚が蘇った。
花咲き乱れる山の祠の前で、縁側で、川辺で
いつも優しく頬を撫でてくれたこと。
泣いていたらいつだってそばにいて、涙を拭いてくれたこと。
無骨な指でそっと優しく頬を撫でてくれたこと
「ああ、宿儺様」
「…思い出したか」
あの日、突然男が家を出ていった日
娘は、あの日______
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作者名:夕暮れ | 作成日時:2021年7月9日 21時