【D!】夏に溺死 (ページ23)

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あれから毎日のように行ってみたがAと会うには条件があるらしい。

最終列車一本前が踏み切りを通った後にAとの思い出のある物を持って行くとAに会える。俺はお揃いで買った金魚のストラップをスマホにつけてるのでそれを持っていけば会えるのだ。

「今日も来たんだ。」

「当たり前やろ？」

「はぁ、不良だなぁチーノ。こんな時間に出歩くなんて。」

「勝手に言っとけや。」

「それでこそチーノ。」

Aは迷惑そうな言い方をしているが俺には分かった。

照れ隠しをする時は首を触る癖。死んでも治っていなかった。

「あ、時間だ。」

「そうやな、じゃあまた明日。」

「また明日。」

いつもの通りに最近あったことを話したり友人や先輩たちの話をする。
その度にコロコロと変わる表情を見るのが好きだった。

そして最終列車が通る時になる警報が俺らの別れの合図だった。

俺は一歩下がってAの方を見た。

「チーノ。」

「ん？どうした？」

「—————————」

Aが何か言っているような気がしたがその声は列車の通った音によって何も聞こえなかった。

列車が通り過ぎるとAの姿はどこにも見えなかった。

すると途端に寒気がした。

「A、なんで俺を置いてったん？結局は俺1人やとなんも出来んのに･･･。」

本当に1人になるのが怖くてたまらない。

どうすればいいの？

助けてや。