決闘クラブ ページ21
大広間の掲示板に、決闘クラブというものが開催されるとポスターが出ていた。
「決闘クラブ、って？」
「何だろね？ でも凄く面白そうだよね」
ハンナが好奇心に目を輝かせていた。
主催者は誰か書いておらず、参加は自由とだけ書かれていた。
疑問に思ったが、ハンナやジャスティンに促されるままに、彼女はその決闘クラブに参加することとなった。
決闘クラブ参加日。Aは来たことを、軽く後悔し始めていた。
何故なら……。
「皆さん、私がよく見えますか？」
大広間の椅子やテーブルが全て無くなり、代わりに長方形型の長い台がど真ん中に置かれていた。
その上を朗らかな笑顔と共に歩き、歯を煌めかせながら壇上を歩むのは、ロックハートだ。
女子のほとんどは黄色い声を上げ、男子はげんなりとした表情を浮かべている。
ロックハートは、近頃何かと物騒なので校長の許しを得て、決闘クラブを開く事となりましたと告げた。
一体許可を出したダンブルドアは、何を考えていたのだろうとAは思わざるを得ない。
単なるロックハートが決闘クラブを開いたらどうなるか、という感情があったかもしれないが。
「本日は私の相手をしてくれる助手を紹介します、スネイプ先生です」
これには周りも動揺を隠さなかった。
どうしてスネイプが？ という声が、四方八方から飛び交う。
「スネイプ先生がロックハートの相手なんて、よく引き受けたわね」
「日頃のストレス発散もあるんじゃないかな？
ほら、眉間のシワが凄いし」
ハンナに言った後、Aがスネイプに視線を向けると、彼女は本当だと言った。
スネイプは今にも殺さんばかりの勢いで、ロックハートを睨みつけていた。
それに気付かないロックハートは、更に言い募る。
「ご安心下さい。魔法薬学の先生を消したりはしません」
まるで自分が絶対に勝つと言っている様なものだった。
2人は互いに礼をし、距離を取る。
そしてロックハートが、カウントの合図を取った。
「3ー2ー1」
「エクスペリ・アームス！」
ロックハートが呪文を唱えるより早く、スネイプが呪文を唱えた。
彼は惨めに吹っ飛び、尻餅をつく。
男子からは歓声が、女子からは悲鳴が。
「ロックハート先生、大丈夫かな？」
「……なんか、あの先生ならセイバーのエクスカリバーに耐えられそうな気がする」
尻さすりながら立ち上がるロックハートを見て、Aはそう皮肉を零した。
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作者名：カフェラテ | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/shazam03271/
作成日時：2020年9月27日 16時
