great escape(3) (ページ7)

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杖なんか捨ててかかって来い！！ページ7

薬草学が終わり、Aは次は闇の魔術に対する防衛術だと意気揚々と歩いていた。

「あんた、生意気なのよ」

歩いていると校庭からそんな声が聞こえた。

見ると、レイブンクローの女子2人と、その背後に……。

アンがいた。しかもにやにやと嫌な笑みを浮かべている。

そしていじられている相手は……。

アリシア！？アリシアは3人の女子を前に、オロオロとするばかりだ。

「私は」

「ちょっと普通の人と違って、ロックハートに目を付けられたりしてさ。化け物みたいな見た目のあんたが、彼に気に入られ様なんて早いのよ」

何だ、今の言葉は聞き流せないぞ！？

Aは我慢出来なくなり、3人とアリシアの間へと飛び出した。

「ちょっと待たんかいー！」

「げっ！？」

「あんた達、恥ずかしくないの！？人と見た目がちょっと違うからって、虐めてさ！！
アリシアは優しいし、なんの悪いこともしてないよ！」

レイブンクロー生の女子2人は、杖を取り出しAに向ける。

「あんたなんて！！」

「どうせかかって来るなら、杖なんて捨ててかかって来なさいよ！それとも杖がないと勝てない弱虫なの、あんた達！！」

レイブンクロー生の女子2人は、うっと言葉に詰まる。

それを見兼ねたのか、アンが叫んだ。

「やりなさいよ！魔法を使っても、私の権力があれば……」

「おら！杖なんか捨ててかかって来なさいよ！！
5分であんた達を木っ端微塵にしてやるわよ！
この、不動のAがね！！」

アンの叫びに被せる様に、Aがそんな痛々しいことを口にすると、レイブンクロー生の女子2人は「ひっ」と悲鳴を上げた。

「あの、不動のA！？」

「無理無理！！勝てっこないじゃない！！」

「あ、ちょっと」

レイブンクロー生の女子2人は、アンを残して口々に叫びながら脱兎の如く逃げ出した。

と言うか、私どんだけ怖がられてるの……。

まぁ、いいかさて。

Aは残されたアンを、にっこりと効果音が付くぐらいに笑みを浮かべて見つめた。

アンは背中に冷や汗が流れるのを、嫌でも感じた。