ドラコの父親 ページ22
「大丈夫、ドラコ？」
「大丈夫だ。それより試合しながらも目に入ったが、何だその格好……」
医務室から処置を施され、無事に怪我を治したドラコはAと歩いていた。
Aはまだ民族衣装の様なものを纏ってドラコと歩いている為、すれ違う人達にガン見されている。
それにAは、全く気にしていない。
「ドラコったら、試合中も私の事見てたんだ。
何々？ もしかして気が……」
「ある訳無いだろ。目立つ格好をしてたから見てただけで……あ、父上」
前方からドラコの父親と思しき人物が、こちらへと歩み寄って来た。
2人の前で止まると、ドラコを冷たい目で見下ろす。
「まさか、新しい箒であのポッターに遅れを取るとはな」
実の息子に冷たい口調で言うドラコの父親に、Aは嫌気が差した。
ドラコはドラコで何がを言い返すでもなく、悔しそうに俯いている。
「失礼ですが」
「君は何だね？ それにその衣装は……」
「私は、A・Aと申します。あ、衣装の事は気になさらないで、私の話を聞いて下さい」
名前を聞いて、彼はまさかと言う様に彼女を見た。
「君が私の息子が言っていた、Aかね？」
「そうですけど。え、ドラコが話したんですか」
「生憎とそうだ。確か君は、あのダンブルドアの娘だとか」
「義理の、ですけどね」
「ふむ。私の名前は、ルシウス・マルフォイだ。
校長の娘ならば、今日の所はこれで引くとしよう」
ルシウスはそう言って背を向け歩き出した。
ルシウスの背中が見えなくなった後、彼女はドラコに言う。
「私の事、話したの？」
「うん。学校であった事は、ちゃんと話せって言われたからな」
そう、とAは呟く。
Aを見たルシウスの目は、明らかにこいつを利用してやろうと言う目だった。
これでAは完全に。
闇陣営の人達に、目を付けられてしまった。
もうAのあまり目立ちたくない、という願いは届くことはないだろう。
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作者名：カプチーノ | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/shazam03271/
作成日時：2020年6月14日 8時
