大切なアナタと(2/2) ページ38
「A、ただいま」
「お母さん、ただいま！」
ハーマイオニーが帰った後も、Aはテラス席に座りスズカ達の帰りを待っていた。
帰って来た2人は、Aを見て声を掛ける。
「お帰りなさい、2人共」
「お客様が来ていたのか？ ティーカップが２つあるが」
「旧友がね。それよりスズカ、お父さんと大事な話があるから部屋で待っていてね」
はーい、とスズカは笑顔で頷き、部屋へと駆けて行く。
スズカが見えなくなり、彼はAに問い掛ける。
「旧友とはまた誰だ？」
「ハーマイオニーさんよ。久しぶりの再会だったから、色々話し込んでしまいました」
「成る程。どんな話を？」
内緒ですよ、と彼女は笑い掛ける。
そんな彼女を見て、唐突に彼は聞く。
「ハーマイオニーで思い出したけど、君はこの世界に残ってよかったのか？」
「え」
「大切な人達がいると言っていただろう。その人達を切り捨てて、君は残る事を選んだ」
彼の言い分は尤も。Aは結局元の世界に帰らず、魔法界に残った。
やはり魔法界にも大切な人がいる。そして目の前にいる彼も。
「最初は後悔しました。でも貴方と出会って、結婚をして子供が出来て、それから迷いは無くなりました」
ハーマイオニーの言葉通り、Aは彼と結婚するまで何もかもを諦めていた。
元の世界に戻ろうにも、あの水晶は1度きりの役割。
再び訪れた時には、もう水晶は跡形も無かった。
元の世界にいた大切な人達の顔を、最初は思い出せていたが、彼と出会い徐々に薄れていったのだ。
Aのサーヴァント達も、いつの間にか姿を消していた。
恐らく元の世界で、何かがあったのだろう。
英霊達が消失する程の何かが。
だがもうそれは過去の話。
今は隣にいる、自分にとって大切な彼が現実だ。
「もう話はこれくらいにして、部屋に戻らなきゃ。スズカが待っているもの」
茶器を片付ける彼女の背に向かって、彼は問い掛けた。
「A」
「はい？」
「今は幸せかい？」
夕方の涼やかな風が、2人の間を通り抜ける。
前までセミロングだった彼女の髪は、すっかり背中まで流れていた。
風がAの長い髪を揺らしその髪を抑え、夕日を背にした彼女は愛おしい彼に笑い掛ける。
「貴方と出会えて、私は幸せです」
(完)
トゥルーエンドイメージソング：「春はゆく/Aimer」
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カフェラテ@夜勤確定?(プロフ) - ベルモットさん→コメントありがとうございます。楽しんでいただいて何よりです（╹◡╹） (2022年12月25日 21時) (
レス) id: 0416b00b3c (このIDを非表示/違反報告)
ベルモット - お久しぶりです。私の夢小説を態々お読みになって下さいましてありがとうございます。私もカフェラテさんのハリポタシリーズを楽しんで読んでいます。お互いに頑張りましょうね。 (2022年11月30日 13時) (レス) id: 9942db35dc (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：暁ホームズ | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/shazam03271/
作成日時：2022年9月30日 15時
