その道の先へ－謎のプリンス① (ページ24)

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散々なページ24

「宜しければ、お写真よろしいでしょうか？」

「ハッフルパフの女神様にお会い出来て、光栄です！」

Aは早速、スラグホーンのパーティに来た事を後悔していた。

会場に着くや早々、スラグホーンが呼んだとされるお偉い方に囲み込まれ、写真を撮らせてくれと散々だった。

ハリーはスラグホーンと話しており、こちらを気に掛ける余裕も無いよう。

なんとか集まって来る人の群れを回避し、Aは会場の場を出る。

抜けられた事に安堵しつつ息を吐いていると、暗がりの奥から、コツコツ足音が聞こえた。

「A？」

「あ……」

やって来たのは、ドラコだった。彼はAを見るなり、罰が悪そうに踵を返そうとする。

それを見て、彼女は慌てて「待って！」と口にした。

「何だよ」

「私は貴方の力になりたいんです！スネイプ先生と約束して」

スネイプと聞いたドラコの表情が、みるみる恥辱塗れた表情に変化する。

どうやら彼の地雷を踏んだらしかった。後悔した時には、もう遅い。

「あいつは同情しながら、心で僕達家族を嘲笑ってるんだ！
なんだよ、ちょっと例のあの人から信頼されてるからって！
だから僕は、誰の助け無しで役割を果たさなきゃならない！」

ドラコは地団駄を踏みながらひとしきり叫び、今度こそ踵を返し、走り去っていく。

あの様子では、Aの言葉すら届かないだろう。

「やっぱり、マルフォイが」

「ハリー？」

いつの間にいたのか、ハリーがAの背後にいた。

「いつから？」

「マルフォイの声が聞こえてさ。スラグホーン先生に具合悪いって言って、ここまで来たんだ。
いたのは、君が力になりたいってマルフォイに言ってた時」

つまりハリーは、先程の会話からドラコが犯人だと、確信した訳だ。

もう事の起こりは、収められない。

そんな後ろ向きな考えを抱えながら、Aは。

「パーティには、戻れそうにないわ」

「A」

「スラグホーン先生によろしく言っといて下さい」

弱々しい笑みを返し、彼女はパーティ会場を離れて行った。