その道の先へ－炎のゴブレット① (ページ29)

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花びらたちのマーチ(1/2) ページ29

「ほわぁ……」

大広間に入ると、そこはいつもとはまた違った光景で、Aは思わず感嘆の息を吐いた。

隣にいるギルガメッシュは彼女のそれを、はしたないと咎める事はしない。

大広間は正に銀世界、と称する程に様変わりしていた。

クリスタルが大広間の壁を覆い、ダンブルドアが呼んだと思しき演奏会達が、クリスマスの楽器を弾いて中を彩っていた。

「最初は確か代表選手が踊るのだったな？」

「うん、そう。タイミングは分からないけど、私達はその後に踊るのよね」

正直Aは踊らずに、このまま寮の部屋に帰りたかった。

一応踊りの練習をしたはいいものの、いまいち上手く踊れてはいないのだ。

顔を見せたのだから、今帰っても……。

「帰りたい、と言う顔をしているな」

「えっ、何で？」

「何で、だと。貴様は思っている事が顔に出やすいのだ。
心配するな、我がリードしてやる」

だから案ずるが良い、とギルガメッシュは言ってくれるが。

それでもAは、不安感が拭えなかった。