気にくわない ページ15
「あ、あの、送ってくれてありがとうございます」
「構わないわよ。私も丁度人助けしたい気分だったから」
教室まで送ってくれたコヤンスカヤに、彼女は礼を言う。
教室に入る前にAは、去り行くコヤンスカヤに問い掛けた。
「どうして助けてくれたんですか？」
「言ったはずでしょ。人助けよ人助け」
「本当にそれだけ、ですか？」
ジッとAは、コヤンスカヤの桃色の目を見つめる。
コヤンスカヤの顔立ちは、何処と無く狐を思わせる風貌だ。
見つめる事数分、コヤンスカヤは諦めた様に息を吐く。
「分かったわ。降参よ降参。
私の性格は、貴女知っているみたいね」
「はい。問題を起こすのをかなり嫌がってましたよね。そんな貴女が、他校の私を助けるなんて」
「あのセブルスとジルが気に食わなかったから」
気に食わなかった？ と彼女は首を傾げる。
「私がホグワーツ出身だって、貴女はもう聞いたでしょ」
「はい。ハッフルパフ、ですね」
「そう。私はあのスネイプが気にくわない。
自分がこうなったのは、周りの環境の所為だって言い切るあいつにね。
闇の魔法○○めり込んで、おまけに闇の人達とたむろしている自分を見ようとしない……簡単に言えば、自分は悪くないって言っているあいつが気にくわなかったの。
それを正当化し、あいつを庇うスーパー家にもね」
「それが娘である……」
「ジルにも受け継がれた。スーパー家はね、性根で腐りきった、紛い者の家系。
まぁ私も腐りきってはいるけど、スーパー家程じゃない。
私の両親が殺されたのは、何かしら自分にも責任があったって割り切ってるし」
これが私が貴女を助けた理由よ、とコヤンスカヤは締め括る。
しかし。
「あ、後ね。似てたからよ、あの人に」
「あの人？」
「ホグワーツの創設者の4人の取締役である、シャーロット・アインツベルンに」
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作者名：カフェラテ | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/shazam03271/
作成日時：2021年3月30日 12時
