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「おい、お前たち。そろそろ朝の特訓の時間だぞ。」
寮の門前で立ち尽くす寮生たちを見つけたジャミルが、集合時間に遅れるなと促す。
そして彼もまた 珍しい客人たちに気付き、その鈍色の双眸を丸く見開いた。
そこには彼の級友…… いや、『友』と呼べるかは微妙なところだが、とにかくクラスメイト二人と、それぞれの腹心たちが ぞろぞろと集まっていたのだ。
「おや、ジャミルさん！ こんにちは、ご機嫌いかがですか？」
「き、急にお邪魔しちゃって ごめんなさいね……」
「アズール・アーシェングロットにコンスタンス・ディアナ・エインズワース……！」
束ねる者たちこそ違うが、彼の目の前にいる二人は 一つの派閥の長を任された優秀な魔法士たちだ。
しかも二人とも、ちゃっかりお気に入りの部下たちまで忘れることなく引き連れている。
彼らがただ挨拶や道楽のために ここへ来たわけではないことは、ジャミルにも一目で分かった。
一体 何を企んでいるんだ、と彼は肚の中で思考する。
オクタヴィネルほど敵に回すと面倒な連中はいない、だから その寮生と積極的に関わるようなことは してこなかったはずだ。
まさか、アンナがここで受けた仕打ちが露呈したのだろうか。彼女はコンスタンスのお気に入りの一人だ。
さらに言うなら、そのコンスタンスはオクタヴィネルの副寮長であるジェイドに懇意にされているとの話だ。
自分の腹心が無体に扱われたことを知った彼女が オクタヴィネルと結託して報復にやって来た、とするならば、この状況にも説明が付くんじゃないか……？
深謀遠慮を掲げる寮に所属していることだけはあり、ジャミルは 穏便な手段で彼らにここから去ってもらう方法、そして最悪 交戦することになった場合 寮生たちに出す指示を この短い時間の間に弾き出した。
だが、それは所謂 邪推であり、
「ところで、カリムさんは どこにいらっしゃいますか？
魔法の絨毯をお届けに上がったのですが……」
「えっ、あ、ああ。届け物なら俺が預かろう。」
報復が目的ではないのか……？ と若干 拍子抜けしながらも、彼は簀巻き状態になってアズールの脇に抱えられた絨毯に手を伸ばした。
だがアズールは 、いえ、結構！ とそれを取り上げ、
「この魔法の絨毯は国宝級の逸品です。
後々 傷などが発見されて、『オクタヴィネルの奴らのせいだ』などとクレームを付けられては困りますから。」
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茨の國のぼっち(プロフ) - ああああぁぁぁ！！やった〜！続編ができてる！嬉しさでしにそう…この章も頑張って下さい！ (2021年1月20日 23時) (
レス) id: 9a68fed22a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：擂糸 | 作成日時：2021年1月20日 10時
