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007. ページ9

「……ふーん、なるほどな。他に判ることは ないのか?」


「えっ…と、ターコイズブルーの髪色をしてたわ。すごく背が高くて、それから……」



金色と砂色のオッドアイだったわ。


コニーが そう言うなり、これまで黙って彼女の話を聞いていたアンナは、



「……それ、もしかしなくてもジェイドさんでは? ほら、リーチ兄弟の『まともに見えて実はヤバい方』の。」



件のジェイド・リーチとアンナは同級であるが故に、彼女は 断片的な特徴から すぐに その名を導き出した。


同時に、彼が『実はヤバい』と言われる所以のようなものも、ひしひしと感じてはいたが。



「……ええ そうよ、きっと そうだわ。彼、ジェイドさんっていうのね。」


「だったら話が早い、あたしがフロイドに口 利いてやるよ」


「……い、いいの?」



コニーは、緋色の瞳を ぱちくりと しばたいた。


願ってもない申し出だが、いくら何でも 話が旨すぎ ではないだろうか。



「散々 揶揄っちまったし、その詫びってことだよ。ま、あたしに任せとけって!」



シノの人の良い笑顔が、何だか怖い。


だが、今のコニーが頼れるのは、彼女しかいないのだった。



*


「真面目に勉強して オレえらーい!」


「はいはい、よく頑張ったよ お前は」



フロイドが シノの届く位置まで 自ら腰を屈めれば、彼女は承知したとばかりに その頭を わしわしと撫で回す。


小柄な少女が1.9m超の男を手懐けているのも、なかなか奇妙な光景である。


ふと、彼女は彼の髪を掻き回す手を止め、



「……なあ、フロイド。お前、確か兄貴がいたよな。あれ、弟だったか?」


「んーん、どっちでも ないよ。オレたち兄弟は どっちも兄じゃねーし弟でもねーの。

 で、ジェイドが どうかしたの?」



それなんだけどさ、とシノは切り出す。


どうやら、うちのコニーが お前の兄弟に惚の字なんだとさ、と。



「……アロワナちゃんが? ジェイドのこと好きなの?」


「そういうこった」



その途端、あっはははは!!と フロイドは白昼の教室で笑い転げた。


クラスメイトたちは、突然 笑い出した彼に ぎょっと目を剥く。



「よりによって ジェイドのこと好きって、アロワナちゃん 男の趣味 (わり)い〜!」


「おいおい、仮にも お前の片割れだろ……」

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作品ジャンル:ラブコメ
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茨の國のぼっち(プロフ) - フォントから、ユニーク魔法から、文章から、全てにおいてセンスが良さすぎます!前章に引き続き、この章も楽しく読ませていただきました! (2021年1月17日 1時) (レス) id: 9a68fed22a (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:擂糸 | 作成日時:2020年9月27日 12時

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