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032. ページ34

深海の商人の右腕たるジェイドに、囚われの身でありながらも エースとデュースは臆さず噛み付いた。


気概だけは立派だが、情けないことに その頭には、オクタヴィネルへの絶対服従を示すイソギンチャクが揃っている。



だがジェイドも、反抗的な奴 隷を野放しになど しておかなかった。


イソギンチャクの分際で口答えとはいい度胸だ、と呟いた彼は、その頭頂部のイソギンチャクを掴んで 容赦なく引き伸ばし、



「いででででっ!!」


「イソギンチャクを引っ張るのは やめろっ……!」



新人指導と称した 激痛 伴う仕置きに悶絶する二人に、Aたちは哀れみの眼差しを向ける。



「うっわぁ、えげつねーな……」


「ほら、コニーさん。条件が条件なら、あなたも ああ なっていたかも しれないんですよ。」


「誰だか知らねーけど、オレらのこと見せしめにすんの やめてくんね!?

 ……って、あだだだだだっ!!」



文句を言う隙すら与えて もらえない彼らを 見るに見かねたAは、ちょっと待ってください!と声を張り上げた。


この状況を腹に据えかねたのは、謹厳実直なジャックも同じで、



「チッ……… 新人いびりを見せられて気分が悪いって言ってんだよ。」


「じゃあ、お前らがコイツらの代わりに店を手伝ってくれんの?」


「……あっ、それいい! それでいこう!」



今からAとジャックが臨時で手伝いをする、ってことで。


一度 助け舟を出してやれば すぐさま その尻馬に乗るエースを見て、アンナは やれやれと肩を竦めた。


彼が こうしてイソギンチャク状態に されているのも納得がいく、と。



虫の好いことを言うエースに、何 勝手に決めてんだ、とジャックは反論する。


だが、テスト結果の発表日から今日まで 散々 扱き使われ続けた 彼らの必死の懇願を受け、渋々といった様子で腕を捲った。


あたしたちも手伝うぜ、とシノは腰を上げるも、



「あっ いえ、皆さんは座っててください!
 臨時の手伝いも、エースたちが勝手に言い出したことなので……」


「そーそー。シャコちゃん 愛想悪いから、客商売なんて できなさそう だもんねぇ。」


「……あ"?」



彼女の先程の煽り文句を根に持っているのか、フロイドが笑顔で毒を吐く。


今度はシノが眦を吊り上げるが、彼は それを気に留めず、オーダーの入ったドリンクをテーブルに運ぶよう Aに指示した。

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作品ジャンル:ラブコメ
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茨の國のぼっち(プロフ) - フォントから、ユニーク魔法から、文章から、全てにおいてセンスが良さすぎます!前章に引き続き、この章も楽しく読ませていただきました! (2021年1月17日 1時) (レス) id: 9a68fed22a (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:擂糸 | 作成日時:2020年9月27日 12時

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