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ぎゃはは、と食事処で喧しく騒ぎ立てる 無作法な客たちに、コニーは顔を顰めた。
幼少の頃から礼儀作法を厳しく教え込まれてきた彼女は、こういった不躾な連中が好きではなかった。
これが気心の知れたシノ辺りであったなら、コニーは「お行儀が悪い！」と容赦なく その手をひっ叩いていただろう。
だが、相手は見ず知らずの男子生徒である。
湧き上がってくる文句をぐっと呑み込み、彼女は渋い顔で自分のドリンクを口にした。
だが、事を穏便に済ませなかったのは、向こうの方だった。
彼らは一人でテーブルにつく コニーを目敏く見つけると、
「おっ、TOCの気取ったお嬢サマも お越しだぜ。」
「へへっ、いつも引っ付いてるオトモダチは 今日は いねぇのか？」
「……何のご用かしら。私、人を待ってるのだけど。」
しらばっくれんな、と そのうちの一人が凄んでみせる。
彼が剥き出した前歯は、一本が欠けていた。
「こちとら お前んとこのクソチビに歯ァ折られてんだよ。どう落とし前付けてくれんだ？」
これは、一体 どんな運命の巡り合わせだろうか。
コニーに絡んできた この男子生徒たちは、なんと以前 シノに喧嘩を売って 返り討ちに遭った 不良たちだったのだ。
かつて陳腐な捨て台詞を吐いて逃げ出した彼らにとって、今は絶好の報復のチャンスだった。
目の前にいるのは、小柄ながらも体術を得意とするシノではなく、非力な少女である。
「ああ、お宅の寮生に殴られたとこが痛むなぁ。治療費だってバカにならなかったのになぁ。」
「……そ、その件については 私が本人に代わって お詫びするわ。でも──」
言質は取った、と言わんばかりに、コニーの座る革張りのソファに、どっかりと不良生徒たちが居座る。
そして、彼女の腰に無遠慮に手を回した。
(──ひぃっ！！？)
ぞわわっ！と悪寒が全身を駆け巡り、彼女は声にならない悲鳴を上げた。
大きな屋敷に生まれ育ち、ミドルスクールから女子校に通っていた温室育ちの名は伊達ではない。
コニーには、異性への免疫というものが これっぽっちも なかった。
次の瞬間、彼女は纏わりつく手を バシッ！と払い落とし、
「さっ……
触らないでっ！！！」
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茨の國のぼっち(プロフ) - フォントから、ユニーク魔法から、文章から、全てにおいてセンスが良さすぎます！前章に引き続き、この章も楽しく読ませていただきました！ (2021年1月17日 1時) (
レス) id: 9a68fed22a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：擂糸 | 作成日時：2020年9月27日 12時
