炭酸入りシトロナードの狂詩曲【twst】 (ページ19)

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「オレの純情返せよ！！」

「うっせー知るか！！」

唐突に始まったストリップショーにフロイドが色めき立ったのも束の間、シノは競泳用の水着の上に着ていた制服を脱いだだけだった。

少年漫画にあるようなお色気シーンを図らずも期待してしまった彼は、悔しさと羞恥から真っ赤になって叫ぶ。

……だが、競泳用ではあるものの、目の前の彼女は水着姿なのだ。

肩や鎖骨など、普段晒さない白い肌が惜しげもなく露出しているだけでも、男子高校生には十分刺激が強かった。

何より、シノがいつもサイズの合わないぶかぶかのパーカーを着ているせいでフロイドは意識したことがなかったが、彼女の胸部には女性特有の緩やかな膨らみがあった。

クラスメイトが持ってきた雑誌に載っていたグラビアアイドルに比べれば、非常にささやかではあるが。

日頃の言動が男性的であることのギャップも含めて、不覚にもフロイドの心臓は一際大きく鼓動を刻んだ。

そんなことは知る由もないシノは、既に準備体操を終わらせ、ざぶりとプールに体を沈めた。

25mを一往復して水慣れを済ませた彼女は、フロイドにストップウォッチを投げて寄越す。

「なあ、自由形のタイム測ってくれよ」

「……え、うん、いーけど」

ばしゃっ、とシノは水飛沫と共にプールサイドに上がり、そのままひたひたと飛び込み台を目指す。

彼女が足の親指を縁にかけて腰を落とし、スタートの姿勢に入ったのを見計らったフロイドは、

「On your mark(位置について) , Get set(よーい)...... Go(ドン)！」

カチリ、と彼がストップウォッチの計測ボタンを押した瞬間、シノの爪先が飛び込み台を蹴った。

空中に飛び出す、しなやかな流線形。

伸びた指から足の先までぴたりと揃えられた美しい曲線が水面に吸い込まれていくのに、フロイドは釘付けになっていた。

◇◇

星イベ素晴らしすぎやしませんか？まさか皆のお部屋にお邪魔できるとは思ってもなかった……
私は最初にフロイドくんのお部屋見た瞬間、あまりの衝撃に殴られたウルトラマンのような声が出てしまいました。