11話 ページ13
「さて、次はナルトだが...」
ナルトが教室にやってくると、すぐに面談が始まった。ナルトは落ち着かないと言ったようでキョロキョロとあたりを見渡していた。
「まったく......ナルトは授業は真面目に受けないし、イタズラばかりだし、このままじゃ卒業試験も危ういぞ!」
「だってよぅ......」
「だってじゃない!だいたいお前は....」
イルカ先生は一人でクドクドとお説教を始めてしまった。
ナルトが心配な気持ちはわかるけど、私は前世の知識で心配要らないってこと知ってるからなぁ...
私はぶぅ、と頬を膨らませてるナルトの頬を突いて、笑ってみせた。
「まあまあ、イルカ先生、この子は大丈夫ですよ。ただの勘、ですけどね」
「......」
イルカ先生は途端に勢いを失くし、「あなたがそういうなら、そうなんでしょうね」と笑った。
私の感が外れない、というのは、この里ではとても有名な話だ。といっても、本当に勘で当てているわけではない。全て前世の知識だ。
若干セコい気がするが、まあご愛嬌。
今のナルト世代の子たちには残念ながら私の勘を披露する機会はなかったので、知っているのは大人達だけだが。もちろん、隠しているわけではない。
「ところで......ナルト、どうですか?友達関係とか」
「あぁ、そうですね。......大丈夫ですよ、ちゃんと楽しそうにやってます」
良かった。本当に良かった。
私は勉強や忍術の不出来よりも、ずっとこのことを心配していた。
みんなにいじめられていないか、孤立していないか......寂しくないか。こんなに優しくしてくれるのはイルカ先生と火影様くらいで、他の人たちからナルトへの目はまだまだ厳しい。それは、何も知らないはずの子供でさえそうだ。
でも、アカデミーではちゃんと友達がいるんだ...。
思わずうるっときてしまった。
「.....先生、卒業まで...よろしくお願いします」
「えぇ。ナルト!お前はもう少しちゃんとしろよ!」
「わかってるってばよ!俺ってば、家でもちゃんと修行してんだ!...座学の勉強は、あんましだけど...」
イルカ先生は「お前は困ったやつだな」と言葉こそ冷たいようだが、慈しむような目でナルトに笑いかけた。ナルトもそれがわかるようで、エヘヘと笑い返す。
「.......あぁ、そうだ。ナルト!先生少しAと二人だけで話したいから、外で待ってなさい」
「えぇーー!」
イルカ先生の言葉にナルトは不満げだったが、未提出の宿題の話を持ちかけると慌てて出て行った。
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紗菜 - 続き、待ってます。 (2022年12月13日 23時) (レス) id: c2a2213ca9 (このIDを非表示/違反報告)
ワス - 応援してます(˘ω˘ ) (2022年2月7日 9時) (レス) @page47 id: f51baff03e (このIDを非表示/違反報告)
がー(プロフ) - もう大好きです!絶対続編読みたいです!もうやばいで大好きいいいいいいい!!! (2019年9月26日 0時) (レス) id: 8eb0f6b23c (このIDを非表示/違反報告)
センカ(プロフ) - 心さん» コメントありがとうございます!おもしろいと言っていただけて本当に嬉しいです!とてもやる気が湧いてきました! (2019年6月14日 19時) (レス) id: f204811481 (このIDを非表示/違反報告)
心(プロフ) - 初コメ失礼します。とても面白いです。更新頑張ってください! (2019年6月13日 7時) (レス) id: 2141c8a0fe (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:センカ | 作成日時:2018年10月21日 18時