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◎ 1 aとn ページ2

朝からなんだか体がヘン。

「相葉さん、なにやってんの？」

ソファで寝転ぶおれの隣に、黄色いドアからにのが話しかけてきた。
なんだか声を出すのも億劫で、「おはよう」の意味も込めてひらひら手だけ振ってみる。

でも、それすらだるくって、はあ、って息が漏れた。

そんなおれを、にのがほっとくわけがない‥‥てのは、ケイケンを伴った確信だ。

「‥どした？」

あわてて(あわててないよーって顔してるけど、目が必死なのはわかっちゃうよ？)階段降りて、ソファの前の床にぺたんと座るにの。
目が、困ってるワンコみたいでかわいい。‥‥そんな冗談は置いといて。

「ん‥、なんか、だるい。」

朝起きた時から、ほんのちょっとふらふらしてて、部屋からここまで降りてきたのはいいもののもう何にもしたくないくらい疲れちゃってバタンキュー。
にのが、おれのおでこをぺたりと触る。‥ああ、冷たくって気持ちいい。

「あんま、熱とかじゃなさそうだけど‥」
「‥ん‥‥、ねつはない気がするけど‥あつい‥。」
「そりゃこんなクーラーもつけずにぼーっとしてたら暑いわ、なんで付けてないのよ。」

だって、そこまで行くのがむりだったの。
ソファよりもっと遠くの壁にあるリモコンのスイッチは、果てしなく遠い気がしたから、あきらめたの。

「だるいだけ？」
「‥なんか、頭痛くて‥‥きもちわるい」
「身体起こせなさそう？」
「‥ん、」

にのの優しい手が、髪の毛を梳いて、ぽんぽんと優しく撫でてくれる。
頭痛いの、ちょっとだけ忘れそう‥かも。そう思って目を閉じたけど、目の奥とこめかみの奥が連動してるみたいにツキツキ痛むのは治らなかった。

「それにしても暑いよここ。アンタいつからここにいんの？」
「んー‥？たぶん、30分くらい前‥？」
「はあっ？」

スタスタとクーラーのエアコンまで歩いて言ったにのが、おれの返事に大きな声で振り返る。

‥にののおでこ、汗、かいてる。
めずらしいなぁ。

クーラーが小さな起動音と一緒に動き出した。そのスイッチを押したにのは、行きよりも早くスタスタとおれのそばに戻って来る。

「相葉さん、昨日クーラーつけて寝た？」
「タイマーで、１時間だけ‥」
「朝起きてからなんか飲んだ？」
「‥だるくって、うごいてない‥‥」
「‥昨日、晩御飯は？」
「‥‥‥おひるおそかったから、たべてない」