15話 ページ16
そんなことを考えていると、いつの間にか押し倒され、目の前の鬼の牙がうなじの辺りに届きそうになっていた。
動きが人間離れ過ぎて……目で追うことすらできなかった。
A『(死ぬ……)』
そう思った時。
無「おい……何をしている」
地を這うような……恐ろしさを感じる声がした。
でも……この声……聞いたことがある。
いや、毎日聞いている。
A『た…正さん……?』
無「……貴様……誰の妻に手を出したと思っている?Aのことは食わぬようにと、他の鬼にも伝えたはずだが……お前は、弱いから私の支配が薄かったのか?」
意味の分からないことを話し続ける正さん。
………普段とは、まるで別人だった。
目の前にいる鬼は、恐怖からか……ピタリと止まって動かない。
無「いや…理由などどうでも良い。死んで償いえ」
そう言うと、私から鬼を引き剥がした。
そのまま、正さんの腕の中に収まる。
鬼「ギィヤアァァァァァァァァァ!!!」
とてつもない悲鳴とともに、グチャ…ベチャッ……そんな音も聞こえる。
どうなっているのか、正さんに抱きしめられているので全く見えないが……おそらく………
そんな想像をしていると………
ベンッ……
琵琶のような音がした。
スッと腕から開放され、周りを見ると……
A『……………こ……ここは………?』
全く見たことのない、不思議な空間に移動していた。
鳴女「おかえりなさいませ」
無「あぁ」
琵琶を持っている女の人……明らかに、人間ではない。
A『あの……正さん……?』
無「ここは、無限城。私の城だ。」
いつもとは、全く異なる雰囲気で……同じ人なのに別人なのではと錯覚しそうになる。
無「鳴女、Aの危険を知らせてくれ感謝する」
鳴女「ありがとうございます」
A『?』
話に全くついていけず、困惑していると、鳴女と呼ばれていた人が話し始めた。
鳴女「私の血気術で、無惨様の命により無惨様の奥方様であるA様に危険が迫ったらすぐに分かるよう見守っておりました」
鳴女「今回、鬼に襲われたときに無惨様がすぐに駆けつけられたのは、私の血気術で鬼に襲われかけていると分かったからでございます」
A『……はぁ……』
無「………鳴女。少し2人にしてくれ。Aと色々と話したいことがある」
鳴女「承知致しました」
ベンッ………ベンッ………ベンベンベンベン……ベベンッ
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ちびリス - こゆんちゃんさん» 無惨様って…敬語何ですか…? はずかしながら、初めて知りました。すみません!!…このまま、敬語抜きで行くと思います。わざわざ言ってくださったのに、すみません!! (2020年8月14日 15時) (レス) id: 676aa3962f (このIDを非表示/違反報告)
こゆんちゃん - 無惨様が敬語をはずすとお館様感が……、、でも、話はとっても面白いです! (2020年8月12日 12時) (レス) id: dfa1a83f80 (このIDを非表示/違反報告)
ちびリス - コノハさん» こちらこそ、コメントしてくれてありがとうございました! 展開に悩んだりしますが…いい感じに終われるよう、頑張っていきます! (2020年8月11日 12時) (レス) id: 5f26e80ee4 (このIDを非表示/違反報告)
コノハ - 一緒にいられるなら嬉しいです。返事をかいてくれて有難うございました (2020年8月9日 20時) (レス) id: 231375fc20 (このIDを非表示/違反報告)
ちびリス(プロフ) - コノハさん» 納得できなかったら、どんどん言ってください!!! (2020年8月6日 17時) (レス) id: eb5ae9646b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ちびリス | 作成日時:2020年7月22日 0時