妄想最盛期 (ページ46)

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あれから11年の月日が流れた。
ふとあの日を思い出した俺は、本当に彼女のことが好きなんだなあと、他人事ながら実感する。

11年という年月があっという間だったとは思わない。中学、高校、大学を経て、俺はとある企業で経理の仕事を任されている。
仕事自体は嫌ではない。ただ、ひたすら紙を捲ってはパソコンに入力する作業は目にくるものがある。
それでも、彼女のことを想うと不思議と頑張れた。

今何してるかな。
元気にしてるかな。
制服はセーラーかな。
大学には進学したのかな。
成人式はどんな振袖を着たのかな。
どんな会社に勤めてるのかな。

そんなことばかり考えていたら11年経っていた。ただそれだけのことなのだ。
これが愛の力なんだろうな。

今日は休日。
家にいるだけでは退屈して仕方がない。
だから、外に出てみることにした。

公園には、無邪気にはしゃぐ子供たちとその親がたくさん来ていた。
賑やかな彼らの声に、俺はあの日を、彼女を想い出さずにはいられない。

そして、ふと足が動く。
何かに引き寄せられるように。
足を速める。気づけば走っていた。

見慣れた景色に、若い心を取り戻す。
まっすぐで純粋だった、当時の「僕」。

開けた視界に、大きな木が聳え立つ。
だが、視界(そこ)に映ったのは大きな木(それ)だけじゃない。

「遅いじゃない。忘れてるのかと思った。」

一日たりとも忘れたことなどなかった、Aが待っていた。

いつか『待ち人は』

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先日、放課後ハートビートのお二人がTERUとコラボして、家にあるもので『いつか』のMVを再現したとのことで、調べて見ました。
お恥ずかしながらMVは知らなかったし、別に曲も何とも思っていませんでした。
それが聴いてみるとどうでしょう。
めっちゃいい曲じゃん！！！
泣きました。
こりゃ書かなと思い、少し遅れましたが書きました。