annual ページ35
※ノンフィクション
.
2020.4.
始業式。今日から3年生。
玄関に貼り出された名列表に目を通す。どうやら私は4組なようだ。
同じクラスの人を確認する。……と、昨年度同じクラスで仲良くしてた子は違うクラスになってしまった。あー終わった。もうこれから生きていけん。
とりあえず教室に入る。
「あ、Aおはよう。」
「おはよー。良かったー知ってる人近くで。」
「それな。なんか元4多くね？」
「いやそれな。」
ありがたいことに、私の隣と後ろの席の人は同じ部活の子だった。なんとか生きていけるかな…。
まだ時間があるようだったので、隣の教室に入る。
「おはよー！」
「おはよー。」
「ねえ違うクラスとか聞いてないんだけど！」
「いやそれな？」
「こんなことならクラス替えしたくなかったよ〜〜」
「それな。でも俺最後の学年っていつも同じクラスなりたい人となれないから、無理だろうなって思ってた笑」
「なぬ〜。」
悔しすぎて言葉も出なかった。
昨年度、クラス替えの前に勝手に担任が行ったクラス替えしたいかしたくないかのアンケート。
私もその友達も、"どっちでもいい"と書いた。
彼女が理由になんて書いたかは覚えてないが、私は「どのクラスになってもやることは変わらないから。」と書いた。
どんな環境であれ、私達に残された時間は変わらない。ぶっちゃけコロナとか言ってる場合じゃない。
桜がちらほら咲いている。
私達の最後の高校生活が始まった。
•*¨*•.¸¸♬•*¨*•.¸¸♪
2020.8.
コロナによって殆どの部活は大会が中止になり、ただでさえ早く引退する運動部の人達は、さっさと引退してしまった。
私は合唱部に所属していて、来週は特別コンサートを市の公民館で開催する。
例年は6月に定期演奏会と題し、全3部構成の演奏会を行う。しかし今年度は、昨年度から予約していたその日に模試が設定されてしまい、演劇部が設けていた2日間の公演を1日分貰い、特別コンサートという形で人々の前で歌うことになった。今はその練習中だ。
3年生は夏休みでも午後まで講習が詰め込まれ、午前で終わる後輩は3年生より1時間半ほど前から部活をしている。去年までは私もそうだったんだよなーって、ちょっと振り返る。
「あ、明日から午後講習抜けて部活行かなきゃだよね。先生に断り入れなきゃじゃない？」
「そうじゃん。」
「ご飯食べたら行こっか。」
「そうだね。」
続
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：名奈 | 作成日時：2021年1月18日 17時
