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涙の花嫁 ページ34

「結婚して下さい。」


彼の言葉と共に差し出された指輪。


「はい……。」


私は嬉しさのあまり、泣きながらそう答えた。


それからの日々は、あっという間に過ぎていった。
私の両親に挨拶をして、結婚式場やウエディングドレスを選び、友達や職場の先輩に招待状を書いた。子供は、二人の生活が安定してからがいいねって、未来のことを話しもした。



でも、そんな日々とは今日でお別れ。

彼には、結婚してる奥さんがいた。しかも、その奥さん()との間には二人の子供が居る。そして、彼の不倫相手は私の他に、三、四人ほど居るらしい。


「だから、俺お前と結婚できないんだわ。ごめんな。」


ケロッとそう言った彼に私は悔しさが込み上げ、一発食らわせた。


「なんでそんなことするの!?しかも私の他にも不倫相手が居たなんて…。不倫相手(彼女たち)の気持ち考えたことある!?あなたのせいで、その子たちまで穢れてしまうのよ!?恥を知りなさい!」


もう、あんな()の顔なんて見たくない。

その一心で走り出した。


建物から出た瞬間聞こえた、祝福の鐘の音。音の鳴る方を見れば、新郎新婦がキスをしていた。
その姿を羨ましくも思うが、それよりも、結婚に浮かれていた私と同じくらい幸せそうな新婦が憎たらしくてたまらない。

なんとか家に着いた。同棲は結婚してからにしようと話していたから、幸い家には私一人しか居ない。
途中で転んでしまったため、靴はその辺に捨てて来た。ウエディングドレスの圧迫感に耐えて走った私凄いと、自分でも思う。

ドレスの脱ぎ方が分からず、勢いで裁ち鋏で切り脱出。
鏡に映る、彼に付けられた紅たち。
思わずゾッとして、膝から崩れ落ちる。

これで、何もかも終わったのよ。


独りだって、いいじゃない。



心の何処かで、そう思ってる私が居た。




More than Love 『涙の花嫁』



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お久しぶりです。
リアルが大分落ち着いたので、これから少しずつ再開しようと思います。
『Dreaming World』の方も、少しずつ進めていくつもりです。
よろしくお願いします<(_ _)>

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作者名:名奈 | 作成日時:2021年1月18日 17時

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