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※ヤンデレっぽいです。



.



酷く棘を纏った、薔薇の茎のような何かが私の首にまとわりつく。

痛い。苦しい。助けて。


「ねぇ、自分が何したかわかってる?まさか門限の時間を知らない…なんてことはないよね?」


その言葉と共に、彼の手に力が加わり、棘が首を圧迫する。


「しかも男に送られてくるなんてさ……君は僕の彼女だという自覚がないのかな?」


口調は優しいのに、私の首を絞める彼の手は優しくない。
じんわりと血が滲み出たのがわかった。


「今まで散々優しく教えてきたよね?まだ分からないの?もしかして、僕に閉じ込められたくてやってるの?」


…違う。そんな筈ない。


「約束も守れないなら、躰に教え込むしかないよね?」


嫌だ。嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ。

必死に首を振って抵抗するが、彼には届かない。


「それとも、やっぱり鎖で繋いでおこうかなぁ?……ふふ、その綺麗な瞳に、僕しか映らないようにしてあげるね?」


期待からか恐怖からか判別できない、生理的な涙が瞳に溢れる。


「…………ッ…今は、僕のことだけ考えて?」


いつの間にか棘が外され、彼は私の首に伝う滲んだ血を舐めていた。
そして新たに咲いた、紅い華。


「痛かったよねぇ…。これで分かった?次はないからね?」


必死に頷くと、彼はふっと柔らかく微笑み、先程彼が付けた華をなぞる。


「んふふっ、綺麗についたねー。消えたらまたつけてあげるからね?」


首に咲いた華が枯れても、私の心に咲いた華が枯れることはない。
歪んだ愛し方をする彼に心を奪われたのは、他でもない、私なのだ。


これが、私たちの歪な愛の形。




My Private "Jealousy" 『歪』

憂色→



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作者名:名奈 | 作成日時:2021年1月18日 17時

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