百四十七つ葉 ページ10
一方その頃、エウェルとジークフリートの二人は晴れ渡る空の下、青々とした草花が生え渡る草原までワイバーン達を
円を描くようにして二人を囲うように宙を飛ぶワイバーン達は、エウェルの手元にある青や赤や黄色の石を爛々とした目で虎視眈々と狙っている。
「どうする？」
互いの背後を庇うため背中合わせになって武器を構えているジークフリートがエウェルに問う。
「そうですね。一網打尽にするならばジークフリート様の宝具で可能かと思いますが、そのためには魔力を貯めて貰わなければなりません」
「その通りだ。ならば、ゲリラ戦だろうか？」
「いいえ。ジークフリート様の宝具での一掃を推奨致します」
「だが、先程あなたが言った通り俺の宝具解放には少しばかり時間がかかる。……まさか」
「はい」
尻目でエウェルを見るジークフリートに、エウェルは失礼だと理解しつつも彼を見ることなく頷く。
「私がワイバーン達を引き付けている間、宝具を発動するまでの魔力を貯めてください」
「危険過ぎる。それなら共に戦って倒した方がいい」
「御安心ください。私のクラスはアサシン。貴方が言った通り、ライダークラスに対して有利なクラスです」
ワイバーン達を見据えるエウェルは両手によって持っている宝石達を左手に全て持ち変えて、右手にはいつも使っている針より二倍程大きな針を一本持つ。
説得のため口開くがエウェルの横顔を見て一度口を閉じた。
困ったような表情をしていたのだ。
彼女自身この方法が危険であることを理解しているが、一番効率良く敵全体を倒せることをわかっているのだ。
そのため再度口を開いて発した言葉は反論ではなく別のもの。
「気を付けてくれ」
「はい。ジークフリート様も御武運を」
ゆっくりと大きく頷いたエウェルは徐に右手に持った大きな針を宙で軽く振るう。
何かの文字かもしれないが、それは文字ではない。
ただそこにあるのは"空白"である。
それはそっとジークフリートの方へと漂うと彼へと張り付く。
途端に煤けていた身体が正常に戻ったうえ魔力吸収率が上がったような気がした。
「これは？」
「私の固有スキルである『空白のルーン』です。少しでも宝具発動の手助けになればと思ったので付与させていただきました。それではジークフリート様、よろしくお願いいたします」
軽く頭を下げたエウェルは、自身にも『六つの才能』スキルを発動してから一歩前へと踏み出した。
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翔べないペンギン(プロフ) - 灰かぶりさん» コメント及び応援ありがとうございます。この辺りの話を確りと考えていなかったためにかなりスローペースでの更新になりますが、気長にお待ちいただけると非常に嬉しいです。灰かぶり様も最近寒暖差が大きいですのでお身体をご自愛ください。 (2023年2月8日 18時) (
レス) id: 59a8ce4908 (このIDを非表示/違反報告)
灰かぶり(プロフ) - とても面白くて一気読みしてしまいました。言葉遣いが丁寧で、読んでいてとてもわくわくしました！Fate関連の作品は少ないですが、これからも楽しみにしております。お身体にお気をつけて。応援しております！ (2023年2月8日 10時) (レス) @page17 id: 54c03ac678 (このIDを非表示/違反報告)
翔べないペンギン(プロフ) - 夢プリンさん» 前回に続き今回もコメントをありがとうございます。御存知でしたか。仰るとおり、クー・フーリンの結婚のお話っぽくしております。自己解釈・捏造・御都合なんでもこいな展開になりつつあるうえ更新もまばらになると思いますが、完結までお付き合いいただけると幸いです (2022年11月14日 18時) (レス) id: 05fbcee79b (このIDを非表示/違反報告)
夢プリン(プロフ) - うわあぁぁ！！クー・フーリンの結婚ですね！めっちゃ好きです！！ (2022年11月14日 12時) (レス) @page15 id: 0c2c417461 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：翔べないペンギン | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/Information/
作成日時：2022年8月28日 0時
