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七十五つ葉 視点:ぐだ男 ページ30

俺達の敵はあまりにも強大であった。

 どうも、藤丸立香です。

今回で特異点修復は四回目、特異点Fを含めると五回目。

残りの三つもこの調子でいけばどうにかなるかも、と思っていた矢先のことである。

霧──魔霧が立ち込める産業革命時代のロンドンには、世界的に最も有名である殺人鬼が住民の暮らしを脅かしていたらしい。

この空気中に漂う濃い霧のためカルデアからのバックアップはほぼできないという、かなり苦しい状況下での探索となった。

街中で出会った騎士──モードレットと共にその殺人鬼の脅威をなくすことと、このロンドンの街を覆う人に害をなす魔霧をどうにかするため毎日市中の見回りを実施。

幸いなことに俺は対毒スキル(仮)という、なんと締まりのない名前の能力があるらしく、この毒による身体への影響は皆無であった。

どちらかというと毎朝早朝の見回りがやや苦痛だったというのかなんというか……。

しかしそうも言っていられないのが現状。

眠い目を擦ってマシュとモードレット、それと協力してくれているジギルと一緒にこの街を救う手立てを模索した。

切り裂きジャックが少女であったこと。

PとBとMというコードネームを三人がこの魔霧を発生させている原因であること。

古書で魔本が人になったこと。

人造人間の少女を保護したこと。

実はBが人造人間の少女の知り合いだったこと。

無事に解決したとは決していえないけど、どうにか黒幕の元に辿りつくことができた。

だけど。

「!」

現れたのは褐色の男性。

それは自身をソロモンだという。

圧倒的な力によってこの第四特異点の問題を解決に力を貸してくれたサーヴァト達はモードレット以外一撃で倒れ、座に戻されていった。

俺も、マシュと俺の声に応えてくれたサーヴァント達も手も足も出ない中、ソロモンはおかしそうに笑ってこういったんだ。

「なんだ、英霊には到底なれない者とまで藤丸立香と契約しているのか。これは実に滑稽だ。うまく誤魔化しているようだがそれ(・・)ももう時間の問題だろう」
「……」
「どういうことだ」
「藤丸立香、君は所詮はただの人。滅び行く運命を抗う者。次の特異点で私の言葉の意味を理解できるだろう」

褐色の王はそう言って、先程までの興味が失せたかのように感情のない表情で俺を一瞥したのち、俺には到底わからいないような場所へと消えていったのだ。

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作者名:翔べないペンギン | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/Information/  
作成日時:2020年2月28日 21時

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