たまには悪くない ページ34
その後も続いた質問に答え続けて、どのくらい時間が経ったのだろう。
「まぁ……こんな感じで、簡単な手品くらいは」
「すごーい！！ほんとに私が選んだカードだ！」
「Aちゃんって物凄く器用だよね〜！
しかも手どころか肌もめっちゃキレイだし……」
「羨ましー！！」
簡単な手品ならできる、と言ってしまったばっかりに、今はたまたま持っていたトランプで実践していたところだ。
「へぇ……やるなあA…｣
席順も変わり、今私の向かいには机に頬杖をついているゼロ、左右は合コンに来ていた別教場の女の子たちが座っている。
キャッキャと笑いながらトランプを始める女の子を横目に、またジト目でゼロを見返す。
「いつから名前で呼び始めたんです？
「ついさっき」
ニコニコとしたままそう返すゼロに、笑い混じりに「はいはい」と答えた。
「Aちゃん、そっちのお皿とってくれる？」
「ヒロまで？」
名前呼びが流行ってるのか？
「あっ降谷くんたちズルい！ねぇ新宮さん、私もAちゃんって呼んでいい？」
「いいな〜！私も呼んでいい？」
わっと詰め寄られ、視線を外しながら「ど…どうぞ」と返すのが精一杯だった。
昔からこんな大人数で話すこともなければ、友人が多かった訳でもない。
テンパるのはしょうがないだろ。
「ふっ……ははは」
「笑うなゼロ！それとも場所変わってやろうか」
「んねAちゃん、俺のことも研二って呼んでよ！」
「萩原」
「なんでー！」
「萩原って感じがするから」
降谷ちゃんと諸伏ちゃんだけずるいーと文句を言いながら、萩原はジョッキをあおる。
水を飲め、酔っ払い。
だが酒が入っているとはいえ、流石萩原だ。
複数の会話をこなしながら、周りに気遣いもしているその姿は、確実にその好感度を増している。
(会話スキルすげー……)
確かにチャラいところはあるのだが、気配りの鬼だ。
女子が周りに絶えないのも頷ける。
「んじゃ次…カラオケ行ってみっか！！」
｢「おーっ！」」
荷物をまとめ、萩原の元へ。
「じゃあ皆は先に出てていいよ〜…ん？どしたのAちゃん？」
「いや、お金渡しとこうと思って」
財布を出そうとカバンの中に手を入れると、スっとそれを萩原の手にとめられた。
「ダーメ」
「え、でも…」
「今日は俺が連れ出しちゃったんだし、せっかくの合コンなのに女の子にお金ださせる訳には行かないでしょー？
だから今日は俺に奢らせて？」
いたずらっぽくウインクした萩原に、有無を言わさず身体を押されて店の外へ。
…今度、なにかお返ししよう。
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しゃ〜け(プロフ) - 早桃さん» 早桃さん、コメントありがとうございます〜！！！面白行っていただけてもうめちゃくちゃ嬉しいです！！頑張って更新していくので、今後も是非よろしくお願いします〜！！ (2022年12月27日 1時) (
レス) id: 8454d3df8d (このIDを非表示/違反報告)
早桃 - すっごい好きな作品です！面白い！これからも無理せずに更新頑張って下さいね！応援してますぅぅぅ！ (2022年12月26日 12時) (レス) @page37 id: f9af42ef58 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：しゃ〜け | 作成日時：2022年12月19日 2時
