第七話:問いを解く ページ7
「しかし、ばらばら死体となると。可能性が二つある。一つは俺らみたいな術者が殺したか、あるいは普通の人間が殺したかだ」
「普通の人間?でもなんで・・・」
「術者とかにとって子どもとかは所有物なんだよ。親に逆らえるものじゃねェ。ましてや大きな易者の家だったらどのようなおぞましい秘密も有り得るんだよ・・・第三者の可能性は少ないが、普通の人間に動機がないとは断定できねェ。
そもそも術者とかは予測もつかない超常現象を引き起こす存在。故に
俺はべらべらと従姉妹の小説家JKが以前言ったことを述べる。藤堂はその言葉を聞いて感心したのか赤べこのように頷く。
「さて・・・・俺達も行くか」
昼飯を食べ終えた散らかりを華麗にゴミ箱へ投げ捨て、立ち上がる。
「行くって、何処に?」
「決まってるだろ?こういう超常現象系の事件を何も知らねぇ奴らがやったら、絶対にロクな事にならん。要するに手助けしに行くって奴だ」
行くだろ?と俺は藤堂に言う。
藤堂は無邪気な子供のようにぱあっ、と笑顔を浮かべ、元気よく「はい!」と言った。
全く、本当に素直なガキなこと・・まるで子犬だ。
俺はやれやれと、言わんばかりにため息混じりの微笑をうかべる。
──────と。その時、俺の背中が、ぶるりと震えた。寒気とかなんかじゃない。本能的に、頭ん中の脳が危険を察して警告するような、震え。
これが、俗に言う悪感か。
刹那的な時間が流れたと思ったら。
「───傑作だなァ」
と、相手は言った。
「───戯言を」
と、俺は吐き捨てた。
ふと周りを見ると、辺りがぼやけていて、まるで相手と俺自身の世界に閉じ込められたような。
この感覚はわかる。この感触を俺は知っている。
「・・・・・なんのつもりだ、大掛かりな術式まで使って、一体何がしたい」
「そう言うなよ・・・俺とお前の仲じゃねェのかい?」
後ろから聞こえる聞き慣れた声、伸ばす手は細身だがしっかりと肉付きはある。
俺はゆっくりと振り向く。
そこに居たのは。
「────
妖艶なる、悪魔だった
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