第五話:問題提示 ページ5
「あれ、春咲さん。クレープ食べないんですね」
「生憎俺は甘いのが苦手でな」
「甘いのが苦手・・・・なんか勿体ない気がするんですけど」
「るっせェよ、青二才。甘いの避けても人は生きていけらァ」
俺達は外の見廻りをしつつ、公園で昼飯を食べている。藤堂はサラダ系のクレープにタピオカ、俺はてりやきのハンバーガーに無糖のアイスティーというジャンクフードなラインナップだ。
特に何事もなく、だべりながら昼飯を摂ってると電話が鳴る。相手は土方からだった。
「────どうした、なにかあったか?」
『希美、お前今暇か?』
「今は藤堂と一緒に昼飯中だ、と言ってもジャンクフードだ」
『そうか。なら大丈夫か・・・ちとお前の知識を借りてぇんだ。』
「知識・・・・まさか
『勿論だ。しかも、ばらばら死体。』
「ばらばら死体・・・・詳しく聞かせてくれ」
そう言うと土方は、死体の状況や周りにあった化学薬品、そして一冊の英字本が置かれていたことを述べた。どうやらばらばら死体は頭、胸部、左右腕、腰部、首、毛髪、左右脚部に分かれていたらしい。
ばらばら死体と切断された位置
化学薬品に一冊の本────
「・・・・・・・完全に
そういい電話を切り、ふと横を見ると────藤堂が目を丸くして俺の方を向いた。
「えっと・・・・・あっち系って、なんですか?ばらばら死体とあっち系ってなにか関係あるんですか?」
・・・・・・・しまった。完全に気を取られてた。
藤堂が居るのを忘れてた。俺は頭を回転させ、どう言うか考える。このまま俺達の事象を知った方がいいか、それとも隠した方がいいか。
俺は二十秒の間で必死に考え、編み出した答えが・・・
「・・・・・・お前、魔法とか超常現象とか、そう言うオカルト系、信じるか?」
「え、あ、はい・・・」
「お前は見たものを信じる覚悟はあるか?そして、見たものを軽率に口にしないことを約束できるか?」
「はい・・・」
「・・・・・・分かった、お前に教えてやるよ。」
第六話:神秘なる魔の叡智→←第四話:拡散された肉体《土方視点》
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