第二十八話:琥珀糖の雨 ※微裏表現あり ページ32
ぴちゃん、と水の跳ねる音が浴室の中に響いた。
俺は土方の膝上に座わらされ、広い胸に背中を預けている。八月下旬の外はとても暑くて、アイスが恋しくなる。そんな俺と土方は帰りにばったり会って、コンビニでチョコチップのアイスとバニラのアイスを買って帰ってきた。
そして、家に帰ってきた後。アイスを冷凍庫にほおり投げて二人ですぐさま浴室に駆け付けて、今に至る。
「・・・・・・成り行きとはいえ、男と一緒に風呂入るなんざ・・・」
「減るもんじゃねぇし、いいだろ」
土方は俺がお気に入りのラベンダーの香りがするリンスインシャンプーで俺の髪の毛を洗いながら言った。
大きい土方の手が、俺の頭を撫でるように触る。その感覚が、とても気持ちがいい。
シャワーで髪の毛の泡を落とす。
「・・・・・・綺麗な、黒髪だな」
そう言い土方は俺の髪に口付けをした。独り言のような言い方をして、髪に口付けをする。
その何気なさが俺は照れくさくって仕方がなかった。これが俗に言う、スパダリと言うやつかと心の中で言った。
次に泡をのせてゆっくりと身体を撫ぜていく、まるで俺の姿形を確認するかの如く、その大きい手でつま先から丁寧に洗い上げる。
ふと、土方は胸を捉えてサイズを確認するかのようにそっと撫で回した。
「意外にあると思ったけどよ、丁度いい大きさだな」
「・・・・コマーシャルチックに言うな、恥ずかしい」
恥ずかしい、この言葉に反応したかのように土方はいきなり先端を刺激する。突然の刺激に体がぴくり、と動く。
「恥ずかしいなんて・・・・何度もそういう事されてるのにか?」
「あ、ちょ、トシ・・・っんぅ・・・!」
更に先端を刺激されると、柔らかだったそこが尖って敏感になる。くびれはなぞられ、うなじは彼の舌が這われていて・・・もう俺を襲う気満々じゃないか。
黙ってされるがままになると、理性が保てなくなる。
抑えてた本能が滲み出た時には、俺は土方に口付けをしていた。
シャワーという雨に打たれ、土方の首に腕を巻きつき舌と舌を絡ませ合いながら口付けを繰り返す。
頭がぼぅっとしてくると同時に、胸におかれていた手がゆっくりと下へ下りて行った。
「・・・・ホント、素直じゃないな」
土方は耳元で、溶ける様な声で囁く。
「・・・・・うるせぇ」と俺は答えた。
土方は、濡れた瞳で俺を見つめる。
きっと俺は、ぐずぐずに蕩けた顔をしているだろう。
第二十九話:熱帯魚のアクアリウム ※微裏表現あり→←第二十七話:Myosotis《ジェイシス視点》
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